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キヤノンITS、需要予測・需給計画パッケージ新版「FOREMAST Ver.3.3」、気象データで需要予測を補正

2022年6月28日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

キヤノンITソリューションズは2022年6月28日、需要予測・需給計画パッケージソフトウェア新版「FOREMAST Ver.3.3」を発表した。同年7月1日から販売する。新版では、気象情報などのコーザルデータを用いて需要予測を補正する機能を追加した。過去の売上実績から気象データの影響を取り除いて予測したり、気象予測を用いて今後の需要予測を補正したりできるようになる。価格(税別)はソフトウェアライセンス込みのシステム構築費用で2500万円から。

 キヤノンITソリューションズの「FOREMAST」は、需要予測と需給計画を立案するパッケージソフトウェアである。セミオーダー型のシステム構築をともなったSIパッケージとして販売する。

 「欠品を出さないこと」と「在庫を削減すること」の両立を支援するとしている。科学的な需要予測に基いて在庫を管理することによって需給計画業務を改善する(関連記事キヤノンITS、需要予測・需給計画ソフト新版、生産ラインや物流に合わせて補充計画量を自動調整)。

図1:需要予測・需給計画ソフトウェア新版「FOREMAST Ver.3.3」が備える機能の概要。気象情報などのコーザルデータを用いて需要予測を補正する機能を追加した(出典:キヤノンITソリューションズ)図1:需要予測・需給計画ソフトウェア新版「FOREMAST Ver.3.3」が備える機能の概要。気象情報などのコーザルデータを用いて需要予測を補正する機能を追加した(出典:キヤノンITソリューションズ)
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 新版では、気象情報やイベント情報などのコーザルデータを用いて需要予測を補正する機能を追加した(図1)。FOREMAST Ver.3.2で、時系列データの統計情報を基に将来を予測する既存モデルに、ディープラーニング(深層学習)を活用した需要予測モデルを追加した。Ver.3.3では、新たにコーザルデータを利用して予測を補正できるようにした。実績値と未来予測の両方を補正する。

 まず、過去の実績値を補足する機能を付けた。売上額の実績値から「例年よりも暑い夏だった」といったコーザルの影響を取り除く。気象データによって売上額が増えていた/減っていた分を補正して、気象データが例年並みだった場合の実績値を導出する。補正によってノイズを取り除いた実績値を利用することによって、より精度の高い需要予測を行えるようにする。

 さらに、未来の需要予測に対して「これから例年よりも暑くなる」といった将来の気象予報データを加味して補正する機能を付けた。気象現象による需要の上振れや下振れを予測し、気象情報の影響を受けた、より精度の高い需要予測を実現する。

標準で気象業務支援センターの気象情報を取り込める

 同機能に合わせて、コーザル情報を収集・加工・蓄積するためのEDI(電子データ交換)機能も用意した。各種通信手順による通信、データフォーマットの変換、外部システム連携、ジョブのスケジュール実行、といった機能群を提供する。

 標準では、一般財団法人気象業務支援センターが配信している気象情報を取り込める(別途契約が必要)。必要に応じて、ユーザーのニーズに合わせた情報の追加や変更に個別対応する予定である。

 FOREMASTの価格(税別)は、需要予測機能または在庫補充計画機能のどちらか1つを導入する場合、ソフトウェアライセンス費用を含んだSI構築パッケージの形態で約2500万円から。需要予測機能と在庫補充計画の両方を導入する場合、ライセンス費用を含んだSI構築パッケージの形態で約4000万円から。

 なお、FOREMAST現行メジャーバーション(Ver.3)の機能追加履歴は、以下の通り。

  • Ver.3.0(2017年11月):出荷期限を考慮して補充計画を立てる機能や、在庫の廃棄時期を知らせるアラート機能を追加した。廃棄ロスが課題となっている食品業界での採用が進んだ。
  • Ver.3.1(2019年4月):出荷前検査が必要な製造業に向けた機能を強化した。検査リードタイムを考慮して受給計画を立てられるようにした。検査中の在庫と出荷可能な在庫を表示できるようにした。
  • Ver.3.2(2020年5月):工場・ラインの生産能力や物流の輸送能力に合わせて補充計画量を自動調整する負荷自動調整機能や、製造時間・輸送量などの負荷を画面で確認して商品ごとの計画量を修正できる計画立案支援機能を搭載した。需要予測モデルも強化し、従来の時系列予測モデルに、ディープラーニング(深層学習)を活用した需要予測モデルを追加した。
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