[市場動向]
NTTデータ、DC環境可視化システム「Green DC energy management」を開発、冷却エネルギーを35%削減
2022年8月1日(月)IT Leaders編集部
NTTデータは2022年7月29日、データセンター/サーバールーム環境可視化システム「Green DC energy management」を開発したと発表した。同年7月1日から運用している。サーバールーム内の温湿度だけでなく、サーバー内蔵のセンサーから取得する、給気温度・電流値、電力消費量、CPU稼働率や、冷却エネルギー、再生可能エネルギー導入量などの情報をリアルタイムで一元管理する。
NTTデータは、同社が運用中の、100%再生可能エネルギーを利用したカーボンニュートラルデータセンターにおいて、サーバールームの環境をリアルタイムに可視化するシステム「Green DC energy management」の運用を開始した(図1)。
特徴は、サーバールーム内の温湿度だけでなく、サーバー内蔵のセンサーから取得する、給気温度・電流値、電力消費量、CPU稼働率や、冷却エネルギー、再生可能エネルギー導入量などの情報をリアルタイムで一元管理すること。情報収集には「インテル データセンター・マネージャー(DCM)」を用いる。
NTTデータによると、サーバー室は通常、室単位で設定した温湿度条件で冷却しており、IT機器の環境特性を十分に生かせておらず、過冷却によるエネルギーの無駄が生じているという。
Green DC energy managementでは、温度センサーから取得した情報を、NTTファシリティーズが提供するAIによる空調制御システム「Smart DASH」と組み合わせ、室内の高温エリアをサーバー単位で割り出し、集中的に冷却。これにより過冷却を抑制する。2022年4月から5月の効果検証において、冷却エネルギーを約35%削減したとしている。
また、同システムによって室内の温湿度環境を視覚的に把握可能になるため、サーバーの増設などによって熱だまりが発生した場合にも、問題を早期に検出可能である。加えて、サーバーの電流値をリアルタイムで確認でき、回路ごとの許容電流値に対する使用状況も把握可能である。
NTTデータは今後、自社データセンターに対して順次展開を予定する。例えば、現在建設中で2023年6月から稼働する三鷹データセンターEAST2期棟(東京都三鷹市)に導入する。また、サーバールームだけでなく、建物全体の使用電力を可視化する統合管理システムの構築を計画する。統合管理システムでは、テナントごとやサーバーラック単位での使用電力管理や、ビル全体の環境負荷の管理が行える。
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