[市場動向]
BigQueryと外部RDBを同期してトランザクションデータを準リアルタイムに分析可能に
2022年10月13日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
グーグル・クラウド・ジャパンは2022年10月12日、プライベートイベント「Google Cloud Next '22」の開催に伴う説明会で、Google Cloudの強化点を発表した。データ活用を促進するデータベース/アプリケーションの機能やインフラ基盤を強化している。例えば、BigQueryでは、他のRDBMSから準リアルタイムにデータをレプリケーションし、分析に活用できるようになった。
グーグル・クラウド・ジャパンは、プライベートイベント「Google Cloud Next '22」の開催を受けて、データ活用を促進するデータベース/アプリケーションの機能強化やインフラ基盤の強化など、Google Cloudの強化点をいくつか発表した。例えば、データウェアハウス(DWH)用のRDBMS「BigQuery」を強化した。
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BigQueryの強化点の1つ「Datastream for BigQuery」(プレビュー)は、他のRDBMSのテーブルを準リアルタイムにBigQueryにレプリケーションする機能である(図1)。数クリックの設定だけで、テーブルの更新差分を常に同期させられる。トランザクション用途のRDBMSに加わった更新を、準リアルタイムにBigQueryにコピーし、データ分析に活用可能である。
BigQueryではまた、非構造化データを使えるようにした(プレビュー)。BigQueryにSparkを統合した「Spark in BigQuery」(プレビュー)も用意した(図2)。例えば、BigQueryだけでSparkを用いたデータクレンジングが可能になる。非構造化/半構造化データのクレンジング処理を担うSparkジョブをストアドプロシージャとしてBigQuery内で実行する、といった具合である。
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AlloyDBとCloud SpannerはSQLからMLを利用
他のRDBMSも強化した。AlloyDBとCloud Spannerでは、SQL関数を呼び出すだけでマシンラーニング(機械学習)のAIを実行できるようにした。例えば、商品をカートに投入して決済する際に、取引が不正かどうかを外部のAIで判定し、安全だったら決済を承認する、といったロジックを、アプリケーション側ではなくRDBMS側で実行できるようになった。
データ分析のフロントエンドとなるBI(ビジネスインテリジェンス)機能も強化し、新ツール「Looker Studio」を用意した。これまで同社は、セルフサービスBIツール「Google DataStudio」を無料で提供してきた。これとは逆に、ガバナンスを効かせた集中管理BI「Looker」を提供してきた。今回、LookerにGoogle DataStudioを取り込んだ新ツールとしてLooker Studioを用意し、セルフサービス用途から集中管理用途まで、各種のユーザーが使えるようにした。
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