三菱UFJ銀行は、勘定系システムを中心とするITシステムのアーキテクチャ刷新プロジェクトを開始した。信頼性が高いメインフレームと迅速性・柔軟性が高いオープン系基盤を適材適所で選択するハイブリッド型のシステムを採用する。段階的に新システムへと移行し、銀行システム全体の構造を刷新する。同行のシステム構築を支援する日本IBMが2022年12月13日に発表した。
三菱UFJ銀行は、勘定系システムを中心に、ITシステムのアーキテクチャを刷新する。勘定系システムのモダナイゼーションによって開発生産性を向上させ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の各施策に柔軟かつ迅速に対応できるアーキテクチャの実現を目指す。
信頼性が高いメインフレームと、迅速性・柔軟性が高いオープン系基盤を、適材適所で選択する。段階的に新システムへと移行し、銀行システム全体の構造を刷新する。日本IBMの支援を得てプロジェクトに取り組む。
預金為替システムを中軸とする勘定系システムの刷新にあたっては、銀行サービスの機能を提供するAPIの開発、システムの内部構造の再構築、リアルタイムのデータ活用の3つを実現するポイントとして挙げている。
プロジェクトは、日本IBMが2022年11月に発表した「次世代勘定系ソリューション戦略」とロードマップに基づいて実施する(図1・2、関連記事:日本IBM、金融機関向けに次世代勘定系システム戦略を策定、メインフレームとオープンのハイブリッド)。
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次世代の勘定系システムでは、複雑化・肥大化したロジックを疎結合化・スリム化し、競争領域のデジタルコアサービスと、非競争領域のデータコアサービスに再配置する。勘定系システムで発生したデータとイベントは、即座にデータコアサービスに連携させ、データの活用を最大化する。
ロードマップの第1フェーズでは、経営戦略を実現するためにスピードが求められるチャネルやデジタル戦略といった競争領域の機能をデジタルシステム基盤に移植する。さらに、非競争領域についても、アプリケーションを整理し、オープン環境やクラウド環境の活用を進める。
第2フェーズでは、スリム化した勘定系システムをベースに、次世代勘定系システムの基盤としてメインフレームを進化させる。このうえで、オープン環境やクラウド環境も選択可能として、システムのハイブリッド化を実現する。