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NTT Com、オンラインコミュニケーション開発基盤「SkyWay」を刷新、100人の同時通信が可能に
2023年1月31日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2023年1月31日、各種オンラインコミュニケーションを実装するためのクラウド型SDK(ソフトウェア開発キット)「SkyWay」をリニューアルした。同時通信人数を従来の20人から100人に拡大し、より規模が大きいウェビナーやWeb会議などに利用できるようにした。旧SkyWayも継続して提供する。価格は新/旧とも同じで、追加機能の料金が別途発生するが、同時通信人数の拡大によるデータ転送量の減少などから実際の費用は増えないようにしているという。
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の「SkyWay」は、各種オンラインコミュニケーションを実装するためのクラウド型SDK(ソフトウェア開発キット)である。自社のWebサイトやスマートフォンアプリに、音声やビデオ通話によるオンラインコミュニケーション機能を容易に実装できるとしている(図1、関連記事:NTT Com、WebRTCビデオチャットサービス「SkyWay」の有料プランを開始)。
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WebRTC(Web Real-Time Communication)によるオンラインコミュニケーション基盤を提供する。HTML5規格に含まれる映像・音声通信の標準規格で、Web会議システムなどのリアルタイムなコミュニケーションを実現する。NTT Comは、WebRTCの利用に必要なサーバー群をクラウドで運用するとともに、WebRTC機能をWebサイトやスマートフォンアプリに組み込むSDKを提供している。
今回、利用シーンを広げるための機能拡張を施し、大規模なウェビナーやWeb会議などにも利用できるようにした。なお、旧SkyWayのサービスを継続しつつ、新SkyWayのサービスを並行して提供する。新SkyWayのポイントは以下の3つである。
(1)最大通話人数を、旧SkyWayの20人から新SkyWayでは100人に拡大している。これにより、より参加人数の多いウェビナーやWeb会議、数十人がワンフロアに勤務するオンライン上の仮想オフィス(バーチャルオフィス)などを実現できるようになった。
(2)Web会議に参加するデバイスにかかる負荷を減らしている。まず、1つの映像を複数の異なる品質(解像度)で配信するサイマルキャスト機能を追加した。端末側の帯域に合わせて低解像度の映像や高解像度の映像を送り分けられるようにした。帯域に余裕がある場合は高解像度な映像を受信するが、帯域に余裕がない場合は低解像度な映像で負荷を下げるといった運用が可能になった。
さらに、映像・音声データの配信にPub/Subモデルを採用した。旧SkyWayでは、例えば5人が映像と音声を送信している場合、受信側はこれらのデータをすべて受け取るしかなかった。新SkyWayでは、映像や音声の送信(Publish)と、受信側の視聴(Subscribe)を分離した。例えば、5人の音声を受信するが、映像については選択した1人の映像だけを受信する、といったことが可能になった(図2)。
(3)認可・認証機能を追加している。映像・音声を配信可能なパネラー権限や、受信しかできない視聴者権限など、ログインユーザーごとにアクセス権限を切り替えられ、ウェビナーなどの運用がしやすくなった。
新SkyWayの価格(税別)は旧SkyWayと同じ月額10万円から(基本料10万円+従量型の通信料)。新旧の違いは、同時通信人数の拡大に伴い、データ通信を中継するSFUサーバーのリソース確保料(1分単位の従量制)を追加したこと。「追加機能に関連した料金が別途発生するが、データ転送量が減ることなどから、費用は増えないようにしている」と同社は説明している。