[事例ニュース]
気象庁、線状降水帯の発生を予測するスパコンが2023年3月に稼働、「富岳」の技術を活用
2023年2月27日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
気象庁は、線状降水帯の発生を予測するスーパーコンピュータシステムを2023年3月1日に稼働開始する。線状降水帯は、土砂災害や河川の氾濫などの豪雨災害の要因となる。システムは「富岳」の技術を活用した「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」24ラック(主系・副系各12ラック)で構成。総理論演算性能は約31.1PFLOPSで、スパコン世界ランキング「TOP500」の50位内、国内5位相当に主系と副系の2システムが入る見込み。システムを構築して納入した富士通が2023年2月27日に発表した。
気象庁は、線状降水帯の発生を予測するスーパーコンピュータシステム(写真1)を2023年3月1日に稼働開始する。線状降水帯は、土砂災害や河川の氾濫などの豪雨災害の要因となる(関連記事:気象庁、台風や集中豪雨などを予測する新スーパーコンピュータが2024年3月に稼働)。
システムは、理化学研究所のスパコン「富岳」の技術を活用した「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」24ラック(主系・副系各12ラック)で構成する。ストレージは総容量42.3PBで、システムは富士通のデータセンターに設置する。
システムの総理論演算性能は約31.1PFLOPS(ペタフロップス)で、スパコン世界ランキング「TOP500」の50位内、国内5位相当に主系と副系の2システムが入る見込み(関連記事:スパコン性能ランキングTOP500の2022年11月版、前回と変わらず1位「Frontier」、2位「富岳」)。
気象庁は2022年6月から、「富岳」を活用し、線状降水帯予測の技術開発を行っている。この成果を今回のシステムにも実装する。
気象庁は、線状降水帯を「積乱雲群により、線状の降水域がほぼ同じ場所を数時間にわたって通過または停滞することで豪雨をもたらす気象現象」と説明している。
豪雨による土砂災害や河川の氾濫などの自然災害が激甚化する中、線状降水帯の発生を予測し、警報や避難情報の発表を迅速かつ的確に行うなどの災害対策が急務だとしている(図1)。