工業用ゴムホース専業メーカーの大同ゴム(本社:香川県丸亀市)は、工場の生産帳票システムを本社から工場(エッジ)へと移して可用性を高めた。従来は、本社とのネットワーク接続に障害が発生するなどのシステムダウンが平均して2カ月に1回程度発生し、その都度、工場の業務が止まっていた。これを改めるため、2021年3月にシステムをエッジに移行した。エッジに構築した新システムは、導入から約2年が経過した現在も、一切のトラブルがない。エッジサーバー用に高可用性サーバー「Stratus ztC Edge」を提供した日本ストラタステクノロジーが2023年3月30日に発表した。
工業用ゴムホース専業メーカーの大同ゴムは、工場現場のノウハウを標準化して生産の効率化をはかるため、生産帳票システムを構築して運用している。2021年3月には、同システムのサーバーを、本社から工場(エッジ)へと移した。これにより、システムの可用性を高めた(図1)。
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従来のシステムは、本社と工場をVPNでつなぎ、工場からVPN経由で本社のサーバーにアクセスしていた。このため、ネットワークに障害が発生すると、生産現場に影響が及んでいた。実際に、平均して2カ月に1回程度システムダウンが発生し、その都度、工場の業務が止まっていた。
現場の社員から「生産に関わるシステムについては現場で運用したい」という要求があった。これを受けて、生産帳票システムのサーバーをエッジに移行した。エッジに構築した新システムは、導入から約2年が経過した現在も、一切のトラブルがないという。
エッジ側システムの可用性を高める工夫として、高可用性サーバー「Stratus ztC Edge」を導入した。工場にはシステム管理者が不在のため、故障しても業務が止まらず、運用管理に手間もかからない仕組みが必要だった。
Stratus ztC Edgeは、自律監視機能と自己保護機能を備える。2台のノードで冗長化しており、片方のノードで障害が発生した場合は、自動的にもう片方のノードへと処理を切り替え、無停止で稼働を継続する。故障交換などの復旧作業も、システムを止めずに行えるほか、自動的に再同期して冗長化構成に戻る。
大同ゴムの工場長は、「生産管理システムが万が一ストップしてしまうと、製造現場に大きな影響が及ぶ可能性があるため、高可用性サーバーを採用した(これにより、サーバー機能をエッジに移行した)」と説明している。また、同社の営業部長は、今後のIT戦略として「工場の稼働状況の見える化や機械の保守の効率化など、新たな取り組みを推進する」としている。