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[データマネジメント2023]

ITベンダー自らが壁を打開してきた経験に基づくアジャイルなデータ基盤構築術

2023年4月20日(木)

データドリブン経営の実現に取り組んでも厚い壁に直面するケースは少なくない。ITベンダーのNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションも苦労を経験してきた一社だ。2023年3月9日に開催された「データマネジメント2023」のセッションに同社の池田義幸氏が登壇し、解決の糸口となったTIBCOのデータ仮想化技術の価値について熱く語った。

データドリブン経営を実現する組織横断のデータ基盤

 デジタルマーケティング事業、ビジネスメッセージ・サービス事業、データ&アナリティクス事業の大きく3つの事業を展開し、様々な企業のDXを支えているNTTコムオンライン・マーケティング・ソリューション。社内にはITに長けた人材も豊富に擁している。そんな同社といえどもデータドリブン経営の実践には苦労してきた。最大のネックとなっていたのは、データ分析・活用で必要とされる環境が不十分だったことである。

 同社 TIBCO部 シニアコンサルタントの池田義幸氏は、「ほしいデータを得るために様々なシステムの画面を見なければならず、それぞれで意味の相違もありました。また、データ抽出・統合・加工は手作業に依存しており、都度のニーズに個別対応しなければならないことから時間を要していました」と振り返る。

TIBCO部 シニアコンサルタントの池田義幸氏

 そこで同社が乗り出したのが新たなデータ基盤の構築である。「3つの事業で異なるマネジメントモデルを横串で見るダッシュボードを用意するとともに、アクションにつながるKPIと分析軸を共通化し、組織横断で活用できるデータ活用を定義しました。また、様々なシステムに分散して異なる定義がなされていたデータを統合すべく、標準(共通)データモデルを整備し、元システム(業務)の違いを吸収するデータ基盤を目指しました」と池田氏は、課題解決の基本方針を示す。

 注目すべきは、このプロジェクトのスピード感だ。同社は3つの事業部にまたがる合計12のサービスの営業進捗データをわずか3カ月で可視化し、営業ダッシュボードを構築するに至ったのである。「このダッシュボードにより営業状況の深堀分析ができるようになり、タイムリーな営業アクションを打てるようになりました。加えてIT運用費用を削減するとともに、データ加工や集計工数の削減にもつなげることができました」と池田氏は語る。

プロジェクトの成功要因は最初の一歩をとにかく早く

 プロジェクトの成功要因はどこにあったのか。実のところトライアルでは上手くいかなかったという。そんなプロジェクトが進み始めたのは、「トップダウンのプロジェクト化と継続関与」「ビジョンや目的の共有」「関係部門やメンバーの巻き込み」「もとから浸透している組織文化との融合」といった“前提”を整えたことによる。

図1 まずは“前提”を整えることを起点に、その後はアジャイルな滑り出しを意識する
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 その上で同社は、データマネジメントの整備に取り組んだのだ。「既存の制度ルールの範囲ですぐ改善できることから始めて、業務や制度の変更を要するものについては時間をかけて継続推進を図りました。また、データ基盤についてスモールスタートで早く使い始めて成果を出し、データの追加と改善を重ねながら活用拡大を進めてきました」と池田氏は語り、「最初の一歩をとにかく早く作り、使い、関係者の実感を得ることで、次の改善意識へつなげるサイクルができました」と強調する。

 具体的にデータ基盤のスモールスタートをどのように始めたのかというと、次の3つの課題解決に集中的に取り組んできた。

 1つめは、事業やシステムで異なる意味、粒度、タイミング、鮮度のズレなどに起因する「データ解釈」の問題。「データを仮想基盤につないですぐにプロファイリングを行い、業務運用者に可視化しながら確認することで、データの理解を進めました」と池田氏。

 2つめは、データの名称や意味の統一、既存業務と整合した変換ロジックの整備など「共通のデータ定義」の問題。池田氏は「試行錯誤しながら策定したデータの共通定義をそのままカタログ化し、元システムの相違を吸収しました」とコツを話す。

 そして3つめは、「利用者目線のダッシュボード」の問題。利用者ごとに異なるニーズを調整し、現場担当者が自ら継続運用できる環境を提供する必要がある。「週次単位で利用者と共に確認、検証を行うアジャイル開発を実践し、利用部門別にデータフローやアクセス管理を最適化しました」(池田氏)という。

図2 アジャイルに向けての課題と解決策
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データ仮想化の基盤としてTIBCO Data Virtualizationを活用

 上記のようなデータ基盤構築において、同社が利用したのがデータ仮想化製品の「TIBCO Data Virtualization」だ。従来からのDWHは使用するデータをすべてコピーし、加工して蓄積してきた。結果、企業内データの90%をコピーが占めるとも言われる状況となっている。これに対してデータ仮想化は、使用するデータの定義(メタデータ)のみを保持し、必要とする都度データを取りに行って統合するという点で大きな違いがある。このデータ仮想化を活用することで、同社は次の3点を実現したのである。

図3 データ仮想化というアプローチの価値
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 まずは、アジャイル開発だ。「ウォーターフォール型開発のようにあらかじめ目的や用途を明確にした過去データを蓄積する必要はなく、試しに分析してみて、良ければ展開・追加するという試行錯誤を行うことができました」(池田氏)。

 次に、探したデータの素早い活用である。データカタログ機能とリアルタイムアクセスにより、利用者は自らの主導で欲しいデータを手に入れることができるのだ。もっとも、こうしたアクセスが増えるとソースシステム側の負荷増加が懸念されるところだが、この点についてはオプティマイズ(最適化)機能を活用することで問題を回避した。「クエリを最適化して効率よくソースシステムにアクセスするほか、それほどリアルタイム性が要求されないデータについては、日次バッチでキャッシュにためておくといった処理を自動で行うことも可能です」(池田氏)。

 そして3点めが、データアクセスとセキュリティ管理である。組織およびシステム横断でアクセスを一元管理することで、多様なデータニーズに迅速に応えるとともにセキュリティ管理を両立させるのである。

 このようにTIBCO Data Virtualizationは、データ仮想化を包括的にサポートする。具体的には350種以上の接続アダプタやディスカバリ機能、ビジネスですぐに利用できるView、高速なクエリ処理エンジン、柔軟性の高いキャッシング、セキュリティ対応、セルフサービスを加速するデータカタログといった機能を1セットで網羅している。

 さらに同社は、TIBCO Data Virtualizationを基盤にデータ仮想化とダッシュボード(BI/BA)を低コストで実現し、実績ある事例をモデル化したソリューションセットも提供。この基盤に「TIBCO EBX」や「TIBCO Data Science」といったソリューションを組み合わせ、マスターデータ管理、データサイエンスのプラットフォームへ発展することも可能だ。

図4 NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供するソリューションセットの概要
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 「今回紹介した弊社の取り組みは一つのケースであり、お客様の課題に対してデータ仮想化でできることを一緒に試行させてください」と池田氏は呼びかけており、社内外の取り組みを通じて成功のシナリオを増やしていく考えだ。


●お問い合わせ先

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

URL:https://www.nttcoms.com/
ソリューションの詳細:https://www.nttcoms.com/service/TIBCO/products/data-virtualization/

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