[新製品・サービス]
サイバートラストとLiquid、「マイナンバーカード機能のスマホ搭載」に対応した本人確認サービス
2023年4月26日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
サイバートラストとLiquid(リキッド)は2023年4月26日、マイナンバーカードを利用した公的個人認証サービスを、同年5月11日に始まる「マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載」(スマホJPKI)に対応させたと発表した。スマホJPKIは、公的個人認証のための電子証明書を、マイナンバーカードだけでなくスマートフォンに格納するサービスである。スマホJPKIを使うことで、本人認証などの際にマイナンバーカードを読み取る必要がなくなり、利便性が高まる。
サイバートラストとLiquidは、マイナンバーカードを利用した公的個人認証サービスを、2023年5月11日に始まる「マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載」(スマホJPKI)に対応させた。スマホJPKIは、公的個人認証のための電子証明書を、マイナンバーカードだけでなくスマートフォンに格納するサービスである。スマホJPKIを使うことで、本人認証などの際にマイナンバーカードを読み取る必要がなくなり、利便性が高まる(図1)。
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サイバートラストは、公的個人認証サービスを利用可能な本人確認サービス「iTrust 本人確認サービス」を提供している(関連記事:本人確認と電子署名に特化した認証サービス、サイバートラストが「iTrust」としてブランド化)。マイナンバーカードに格納されている公的個人認証(JPKI)の電子証明書を用いて本人を認証する仕組み。これまで本人確認書類の郵送など書面ベースで行っていたプロセスを電子化する。
iTrust 本人確認サービスのオプションで、マイナンバーカードのICチップから情報を読み取る機能をソフトウェア開発ライブラリ化した「eKYC ライブラリ」も提供している(関連記事:サイバートラスト、WindowsアプリからマイナンバーカードのICチップ情報を読み出し可能に)。同ライブラリをアプリケーションに組み込むと、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)が提供する「公的個人認証サービス利用者クライアントソフト」を使うことなく、マイナンバーカードを用いた本人認証が可能。
今回、サイバートラストは、eKYC ライブラリを強化し、デジタル庁が2023年5月11日に開始する「マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載」(スマホJPKI)に対応させた。具体的には、スマートフォンにインストールしてある「マイナポータルアプリ」と連携し、マイナポータルアプリを介してスマートフォンに格納されている電子証明書を読み出せるようにした。これにより、マイナンバーカードに搭載されている電子証明書だけでなく、スマートフォンに搭載されている電子証明書を使って本人認証を行えるようにした。
一方、Liquidは、オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」を提供している。運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類の撮影またはICチップの読み取りを行い、自撮りの顔写真との照合を行う方式などによってオンラインで本人を確認するサービスである。別途、サイバートラストのiTrust 本人確認サービスおよびeKYC ライブラリと連携することで、マイナンバーカードに格納されている電子証明書を用いた公的個人認証も利用可能である。
LIQUID eKYCの特徴の1つは、LIQUID eKYCが用意しているSDK(ソフトウェア開発キット)を使うことで、事業者が開発するアプリケーションにオンライン本人確認の機能を簡単に組み込めるようにしていることである。SDKにより、サイバートラストのeKYCライブラリを使って公的個人認証サービスを使えるようにすることも容易である。今回のeKYCライブラリの機能強化によって、スマートフォン搭載の電子証明書を用いた本人認証も、簡単に組み込めるようになった。
LIQUID eKYCとiTrust 本人確認サービスを用いたスマホJPKIの公的個人認証のプロセスは、以下の通り。本人認証を受けるエンドユーザーは、マイナポータルアプリのUIから、スマホJPKI用に設定した暗証番号を入力する。LIQUID eKYCは、iTrust 本人確認サービスに公的個人認証のリクエストを送る。iTrust 本人確認サービスは、J-LISに確認し、公的個人認証を実行する。