米スノーフレイク(Snowflake)日本法人は2023年6月23日、米国本社が同月26日(米国現地時間)から開催している年次コンファレンス「Snowflake Summit 2023」の発表内容の一部を紹介した。クラウド型データウェアハウス(DWH)/データ分析プラットフォームの「Snowflake」について、大規模言語モデル(LLM)を活用する機能や、マーケットプレイス、データサイエンティスト向け機能の強化などが加わったことをアピールしている。
Snowflake Summit 2023の開催に合わせて、Snowflakeプラットフォームの機能が拡充されている(画面1)。「一連の新機能は日本リージョンでも使用可能。日本はデータ活用が数年遅れていると言われ続けていたが、そのような時代は終わるだろう。後追いではなく共に歩み、あるいは世界を牽引する可能性も十分にある」(同社 シニアプロダクトマーケティングマネージャー兼エヴァンジェリストのKT氏、写真1)と、国内ユーザーに向けてSnowflakeの活用を促した。
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今回の機能の拡充は多岐にわたる。データ管理機能の簡素化、オープンテーブル形式の性能向上、大規模言語モデル(LLM)を使用して非構造化データからデータを取得する「Document AI」(画面2)の提供、性能の最適化やコストの可視化などが施される。
現場でSnowflakeを使うユーザーには、Document AIおよびIceberg Tableが注目株だ。Document AIは2022年8月に買収したApplicaをベースに非構造化データを構造化データに変換していく機能。後者は外部データの取得時にSnowflakeのデータと統合する機能で一元管理が可能になる。
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「重要なのはパフォーマンスや使い勝手を犠牲にしないこと」と、同社 製品担当シニアバイスプレジデントのクリスチャン・クレイナマン(Christian Kleinerman)氏(写真2)は強調した。同氏によると、2023年4月時点での性能は、2022年8月時点との比較で15%向上しているという。また、コストの可視化では、予算の閾値に応じてアラートを発する「Budgets」(画面3)や、データウェアハウス(DWH)、コンピュートクラスタの稼働率を可視化する「Warehouse Utilization」を提供する。
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なお、Snowflake Summitの“目玉”の1つに、GPU/ディープラーニングのNVIDIA(エヌビディア)との業務提携がある。クレイナマン氏は、「多くのAI/大規模言語モデルに対して、NVIDIAの能力をSnowflake上で活用し、データ活用を推進できる」とアピールした。
スノーフレイクは2022年6月に、Snowflakeネイティブアプリケーションフレームワークを発表しているが、そのためのマーケットプレイスにも注力している。例えば、米サイバーシン(Cybersyn)との協業で支払い構造を変更してアプリやデータの購入を可能にした。同フレームワークはAWS(Amazon Web Services)で利用可能で、今後はMicrosoft AzureやGoogle Cloudにも対応する予定だ。
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