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[事例ニュース]

東電PGと日立、異なる地域のデータセンターに計算負荷を分散させて電力効率を高める実証実験

計算負荷を移動させて再生可能エネルギーの地産地消を実現

2023年7月6日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

東京電力パワーグリッド(東電PG、本社:東京都千代田区)と日立製作所は2023年7月5日、異なる地域のデータセンターに計算負荷を分散させる制御によって電力効率を高める技術を確立したと発表した。例えば、太陽光発電量が不足するエリアのデータセンターから、太陽光発電が過剰なエリアのデータセンターへと計算負荷をシフトする、といった具合である。両社は、このための実証実験を2022年10月12日から2023年3月7日にかけて共同で実施した。

 東電PGと日立は、異なるエリア(地域)のデータセンターに計算負荷を分散させる制御によって電力効率を高めるエネルギー管理の実証実験を、2022年10月12日から2023年3月7日にかけて実施した(図1)。

図1:東京電力パワーグリッドと日立製作所による電力管理の実証実験の概要。異なる地域のデータセンターに計算負荷を分散させる制御などによって電力効率を高める。太陽光発電などの再生可能エネルギーを、できるだけ、その場所、その時間に使うように制御する(出典:東京電力パワーグリッド、日立製作所)
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 データセンターが存在するエリアごとの再生可能エネルギー発電状況を踏まえ、電力需要を他のエリアに分散させるシナリオである。例えば、太陽光発電量が不足するエリアのデータセンターから、太陽光発電が過剰なエリアのデータセンターへと計算負荷を移動させる。

 実証では、物理的に距離が離れた2地点として、茨城県内のコンテナ型データセンターと、東京都内のサーバールーム間を接続した。電力需要に対する再生可能エネルギー由来の供給力を最大化することを目指し、電力需要を移動させ、電力需給バランスが維持できるかを検証した。

 実証実験では、以下に示す3点の検証を行った。

  1. データセンター間の空間シフト
    (太陽光発電不足エリアAから、太陽光発電過剰エリアBへ計算負荷をシフト)
  2. データセンター内の時間シフト
    (エリアBの夜間計算処理を、太陽光発電過剰となる昼間へシフト)
  3. データセンター内のDER(分散型エネルギー源)制御
    (さらなる電力需要調整として、空調や照明のDER制御を実施)

 「電力をデータセンターに輸送するコストに比べて、データを輸送する通信コストの方が経済的で、発電所に近い場所にデータセンターを設置することが重要である。再生可能エネルギーの多くは地方エリアで発電していることから、再生可能エネルギーの地産地消が求められている」(両社)

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