[調査・レポート]
2023年度の国内データ分析人材は12万3400人、DXや内製化が増加要因─矢野経済研究所
2023年7月27日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
矢野経済研究所は2023年7月27日、国内においてデータ分析に関わる人材の規模を調査した結果を発表した。採用、研修、育成方法などの現況、職種別の動向などを明らかにした。同社は2023年度における国内データ分析関連人材の規模を12万3400人と予測し、2025年度は17万6300人に達するとしている。
矢野経済研究所は、国内でデータ分析に関わる人材の規模を調査した(図1)。同社は、2023年度における国内データ分析関連人材の規模を12万3400人と予測している。2025年度は17万6300人に達するとしている。
拡大画像表示
データ分析に関わる人材を職種別(分析コンサルタント、データサイエンティスト、分析アーキテクト、プロジェクトマネジャー)で見た場合、データドリブン経営の推進などを背景としたデータ分析案件の増加や内製化の進展に伴い、これら4種類ともに伸びていく見通しだとしている。
「ユーザー企業では、データドリブン経営の浸透に伴い、データ分析の内製化の機運が高まっている。データサイエンティストや分析アーキテクトを中心に、専門部署を設立する企業もある。また、データ分析を支援する専門部署だけでなく、事業部門側においても、事業の効率化や新事業の立ち上げなどにおいてデータ分析の活用が広がりを見せつつある」(矢野経済研究所)
一方、IT事業者では、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連プロジェクトを推進していくうえで、データサイエンティストや分析アーキテクトのようなIT寄りのスペシャリストだけでなく、ビジネスとしての成功に重きを置く分析コンサルタントの重要性が高まっていくと同社は見ている。
優秀な人材を確保するための施策が活発化
調査から見えた注目トピックとして同社は、優秀な人材を確保するための施策が活発化している点を挙げる。
ユーザー企業は、研修プログラムを通じてデータ分析関連人材の育成を進めている。データドリブン経営の浸透を図るべく、データサイエンティストを指南役として位置づけている。「データサイエンティストの育成と合わせ、経営層やマネジメント層に加え、全社員に向けて各々の階層に応じた研修プログラムを提供する動きが見られる。自治体も、全庁的にEBPM(エビデンスに基づく政策立案)を推進すべく、データ分析関連人材の採用や育成に向けて取り組んでいる」(同社)。
一方、IT事業者では、大手を中心に各種の施策に取り組む動きが広がっている。矢野経済研究所によると、自社独自の認定資格整備、社内外向けのハッカソンへの参加、IT環境の整備といった動きがあるほか、トップ研究者の確保に向けては、有期雇用での特別な雇用制度を設けたうえで能力に応じた高額な年俸制度を整備する動きなどが見られるという。
●Next:厳しさを増すデータ人材の獲得
会員登録(無料)が必要です
- 1
- 2
- 次へ >