[事例ニュース]
複数企業の荷物を同一トラックで運ぶ共同輸配送の運用実証─NEC、花王、三井倉庫など
2023年9月13日(水)IT Leaders編集部
NECは2023年9月12日、複数企業の荷物を同一トラックで運ぶ共同輸配送の実現に向けて、共同利用型システムの運用実証を開始すると発表した。花王、日通NECロジスティクス、三井倉庫サプライチェーンソリューション、横河電機など各社が参加して2024年3月まで実施する。2024年度の実用化を目指す。
NECは、複数企業の荷物を同一トラックで運ぶ共同輸配送の実現に向けて、共同利用型システムの運用実証を開始する。花王、日通NECロジスティクス、三井倉庫サプライチェーンソリューション、横河電機など各社が参加して2023年9月から2024年3月まで実施する。2024年度の実用化を目指す(図1)。
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物流領域では輸配送の効率化が課題になっている。トラックドライバー不足により減少する輸送リソースの確保や、温室効果ガス排出量の削減が求められている。また、輸配送の小口化・多頻度化が進み、トラックの積載率は約40%にとどまるという。
こうした中、共同輸配送の取り組みが一部で始まっているが、条件に合致する企業の探索や条件の調整、オペレーションの煩雑さなどが課題にあり、大規模な取り組みにまでは至っていない。
今回開始する共同輸配送の運用実証では、実証に参加する各社の物流データを、NECが開発中のシステム「共同輸配送プラットフォーム」で共有する。そのうえで共同輸配送のグループ候補をAIで自動抽出し、条件を調整して適切な運行計画を自動で作成する。
実証に参加する各社は、2023年9月から2024年3月にかけて日本全国を対象に共同輸配送システムを運用実証する。デジタル技術の活用と輸送オペレーションの両面から運用上の課題を抽出し検証する。実証する内容は以下のとおりである。
- 各社の物流データをシステム上で共有し、段階に応じて情報を開示
- 共同輸配送を実施するグループ候補を自動で抽出
- 共同輸配送の運行計画を自動で作成
- 運行計画の条件を調整し、代替案を提示
- 企業間で荷量見込を共有し、共同輸配送の利用を推奨
- 共同輸配送を行う上での運用上の課題点を抽出・検証し、実行効果を確認
- 将来的なマルチモーダル輸送や中継輸送の可能性を検討
NECは、今回の運用実証を基に、共同輸配送プラットフォームの2024年度の実用化を目指す。また、実証参加企業を継続して募集しながら、他のサービスとの連携を模索するとしている。