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エアークローゼット、基幹システムにAIOps導入、性能問題の調査時間を20分の1に短縮

2026年7月9日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

女性向け月額制ファッションレンタル「airCloset」などを手がけるエアークローゼット(本社:東京都港区)は、基幹システムの性能監視・改善・障害調査をNew Relicで自動化し、生成AIと連携した自律運用の仕組みを構築した。問題調査に要する時間は従来比20分の1に縮まり、スタイリストが商品を選ぶ時間は年間2520時間減った。New Relicが2026年7月8日に発表した。

 エアークローゼットは、スタイリストが選んだ衣服を貸し出すサブスクリプションサービス「airCloset」(会員数は2026年3月末時点で約150万人)を手がけている。他にも、家電レンタル「airCloset Mall」、都度利用型の「airCloset Spot RENTAL」、骨格・カラー診断サロン「airCloset Salon」、男性向けの「airCloset Men's」などを運営している。

 同社の特徴は、サービスと物流を支える基幹システムを内製していることである。Webアプリケーションや倉庫連携システムなどが相互に連携し、商品にはRFIDタグを付けて個別管理し、返却品の検品・棚入れから出荷指示までを独自システムで完結させている。現在は約70の開発プロジェクトを常時並行して進めている。

 一方、システムの規模と複雑性が増すにつれ、全体の状態把握が難しくなっていた。障害対応が後手に回り、性能悪化の兆候も見えにくくなっていた。システム性能監視製品を導入していたが現場での活用が進まず、顧客が先にエラーやレスポンス低下に気づくケースもあった。特に、ピーク時にはデータベースへの負荷が通常の数十倍に達した。

 こうした課題を解消するため、システム性能監視ソフトウェア「New Relic」を導入した。まずは、トランザクションデータを利用して性能の問題を調査・分析・改善し、スタイリストが顧客に合う洋服を選ぶ時間を年間2520時間削減した。

 続いて、New RelicのMCP Serverと複数のAIエージェントを連携させたAIOpsの仕組み「New Relic Analyzer」を独自に開発した。毎朝9時にGemini AgentがNew RelicのMCP Serverを介してアプリケーションの性能を分析し、N+1クエリーやスロートランザクションなど6種類の問題を検出する(表1)。

表1:New Relic Analyzerが検出する6つの問題タイプと検知条件(出典:エアークローゼット、New Relic)
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 問題が見つかると、内製のGit Server MCPを通じてソースコードを調査し、原因コードを特定したうえで、修正案を添えたBacklogチケットを自動起票する。チケットは日英併記で作成するため、ベトナムの開発パートナーもそのまま利用できる。

 New Relic Analyzerにより、問題調査に要する時間は従来比で20分の1に縮まった。負荷が高まる根本原因を事前に発見・修正することでピーク時のサーバー負荷も抑えられるので、インフラ費用も減る。AIエージェントの稼働コストは、Gemini 3.0 Flashを1日1回30日間試験稼働させた実測値で月額約7ドルにとどまった。

 日常的な問い合わせ対応も効率化した。以前は、カスタマーサポートチームからの問い合わせに対し、エンジニアがNew RelicのダッシュボードとGitHub上のコードを照らし合わせて原因を特定するまでに半日かかることもあった。現在は、New RelicのMCP Server経由でClaudeとNew Relic、GitHubを連携させている。Slackで届いたリンクをClaudeに渡すだけで、問題のありそうなコードを提示してくれる。

 現在、AIにソースコードを構造化して理解させる「Graph RAG」の実装を進めている。ソースコードの依存関係を解析する「Code Graph」、データベースのテーブル構造をまとめた「DB Graph」のMCPを独自に整備している。問題検出、原因特定、修正コード生成、コードレビュー、テスト、デプロイの一連の流れを自動化パイプラインとして完結させることを目指す。辻氏は、「AIが修正したコードをAIがレビューできる状態が整えば、2026年内にも一部の性能問題については、検出から修正コードのリリースまでをAIに完結させられる」と目論む。

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エアークローゼット / New Relic / AIOps / 内製化

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