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[調査・レポート]

GitHub Copilot Chatで開発者の85%がコードの品質に自信、レビュー時間は15%短縮─GitHub調査

コーディング支援AI「GitHub Copilot」にIDEからチャットで問い合わせ

2023年10月20日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

米ギットハブ(GitHub)は2023年10月10日(米国現地時間)、プログラミング支援機能「GitHub Copilot」に関する新たな調査結果を公開した。2022年の調査では、GitHub Copilotによってコーディングが55%速くなるという調査結果を公開している。今回の調査では、統合開発環境(IDE)の中からGitHub Copilotと対話できるチャットインタフェース「GitHub Copilot Chat」の効果を調査した。結果、開発者の85%はGitHub Copilot/Copilot Chatを使ったコーディングで、コードの品質に自信を持てたと答えている。

 米ギットハブ(GitHub)は、プログラミング支援機能「GitHub Copilot」に関する新たな調査結果を公開した。2022年の調査では、GitHub Copilotによってコーディングのスピードが55%速くなるという調査結果を公開している。今回は、統合開発環境(IDE)からGitHub Copilotと対話できるチャットインタフェース「GitHub Copilot Chat」の効果を調査した。

 コードの品質測定には、読みやすさ、再利用性、簡潔性、保守性、レジリエント(エラーの想定)の5つの指標を設定し、「優れたコード」と「作業速度を低下させるコード」を識別した(調査方法の詳細は下記)。

図1:統合開発環境(IDE)の中からGitHub Copilotと対話できるチャットインタフェース「GitHub Copilot Chat」に関する調査結果のハイライト(出典:ギットハブ・ジャパン)
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 今回の調査から、(1)開発者の85%がコードの品質に自信を持てた。(2)コードレビューをすぐに始められるようになり、レビュー完了までの時間が15%短くなった。(3)開発者の88%が集中力が増してイライラが減り、コーディングがさらに楽しくなった、という見解を得た(図1)

 (1)について、開発者は、GitHub Copilot/Copilot Chatを使ったほうがコーディングが簡単になり、エラーが少なく、読みやすくて再利用可能、簡潔で保守性が高くレジリエントなコードを作成できるとしている。開発者の85%は、これらの支援機能を使ってコーディングすることで、コードの品質に自信を持てたと答えている。

 GitHub Copilot Chatを使うと、IDEから直接コーディングに関して質問し、回答を受け取れる。ドキュメントの確認やオンラインフォーラムの検索を行わずにチャット画面からコーディング情報やサポートにアクセスできる。GitHub Copilot Chatは現在オープンベータ版であり、IDE/開発ツールとして「Visual Studio Code」と「Visual Studio」に対応する。

 (2)について、開発者は、コードレビューにGitHub Copilot Chatを使うことで、コードの品質が向上したと回答している。コードレビューは15%高速になり、コメントを受け入れられる割合も高くなった。参加者の約70%は、Copilot Chatを使ったレビュアーからのコメントを受け入れている。

 Pull Requestやコードレビューにかかる時間が短くなることで、開発者はより優先度の高い変更に集中できるようになると同社は指摘する。「最初から質の高いコードを作成できることから、後でコードをロールバックする必要がなくなるほか、追加のテストも不要になる」(同社)。

 (3)について、2022年の調査ではGitHub Copilotを使用した開発者の60~75%が仕事にやりがいを感じ、コーディング時のイライラが減り、より満足度の高い仕事に集中できたと回答していた。

 2023年の調査では、参加者の88%が同様にイライラが減り、集中力が増したと答えている。同社は効果が大きくなった理由の1つに、「IDE内に留まることで検索にかかる時間が減り、だれもが望む集中したフロー状態にある時間を増やせる」ことを挙げている。

 なお、今回の調査には、5~10年のソフトウェア開発経験者36人が参加した。GitHub Copilot Chatを使用時と未使用時の両方で、コードの作成とレビューを依頼した。参加者はGitHub Copilotの使用経験はあったが、Copilot Chatの使用経験はなかった。Copilot Chatの使用/不使用は、それぞれの開発者にランダムに割り当てた。

 コーディングの検証では、参加者にオブジェクトの作成、読み取り、削除を行うHTTPサービスのAPIエンドポイントの作成を依頼。その作業のPull Requestと、読み取りと削除の部分のPull Requestを作成してもらった。

 コード作成者には、Copilot Chatを使用することで記述したコードの品質にどのような影響があったか、作業がより簡単になったかを尋ねた。その後、レビュー担当の開発者に、別の参加者が作成したPull Requestを2つ割り当て、どちらがGitHub Copilotを使ったものかを伝えずに、Pull Requestのレビューを依頼した。

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