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シスコ、「Webex Contact Center」にオペレーターの燃え尽き症候群を防ぐ新機能

AIがオペレーターの疲労を検知し、動画を再生して休憩を促す

2023年11月7日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

米シスコシステムズ(Cisco Systems)は2023年10月26日、クラウド型コンタクトセンターサービス「Webex Contact Center」に、オペレーターの燃え尽き症候群を防ぐ新機能を追加すると発表した。燃え尽き症候群につながるような心身の疲労をAIが検知すると、ストレスを軽減するための60秒の動画を再生し、オペレーターに業務を止めて休憩を促し、次の通話の前に気分転換してリラックスできるようにする。

 シスコシステムズの「Webex Contact Center」は、コンタクトセンター機能をクラウド型で提供するサービスである。

 同サービスに、コンタクトセンター業務に従事するオペレーターの心身の疲労をAIで検知し、休息を促す機能を追加する。同年2月にベータ版を提供し、2024年末にリリースする予定。

 シスコは、コンタクトセンターのオペレーターの離職率は他の職業の2倍であり、離職の50%は燃え尽き症候群(Burnout Syndromes)が原因であるという調査結果を引用。「新機能がオペレーターのウェルビーイングと生産性の向上を支援し、その結果としてすぐれたカスタマーエクスペリエンスを実現する」としている。

 新機能では、燃え尽き症候群につながるような心身の疲労をAIが検知すると、ストレスを軽減するための60秒の動画を再生し、オペレーターに業務を止めて休憩を促す。顧客応対の間に60秒の休憩を取って気分転換・リラックスすることで、次の顧客に心身の準備の整った状態で応対できるという。

 動画を用いた気分転換の方法は、メディア会社ハフィントンポスト(現ハフポスト)の創業者で作家・実業家のアリアナ・ハフィントン(Arianna Huffington)氏が創設した、行動変容テクノロジーに取り組む米スライブグローバル(Thrive Global)との提携によって実現した。

 同社が開発したウェルビーイングサービス「Thrive Reset」により、ストレスの蓄積サイクルを脱却し、交感神経系から副交感神経系に切り替えられるようになるとしている。Webex Contact CenterのユーザーはThrive Resetをアドオン型で利用することができる(動画1)。


動画1:ウェルビーイングサービス「Thrive Reset」の紹介動画(出典:米シスコシステムズ)

 Thrive Globalのライブラリには数百種類の60秒動画がある。心を落ち着かせる映像、荘厳な自然風景を見ながら行うストレッチ、呼吸、マインドフルネス、感謝のエクササイズ、最新のストレス解消テクニックなどを取り入れ、呼吸をガイドし、深呼吸によって平静を取り戻せるように支援する。

 先行事例として、ある金融サービス業界のユーザー企業がThrive Resetによるオペレーターに休憩を促すシステムを60日間試したところ、顧客の問い合わせに対応する時間が4分の1に減り、顧客満足度スコアが4.8から4.9(1~5で評価)に向上したという。

 また、Webex Contact Centerの別の新機能として、2023年末までには回答候補を生成AIでサジェストする機能のベータ版を提供する。回答を自動で提案することで、顧客からの問い合わせに応答するオペレーターの生産性を向上させる。

 このほかにも、終了した通話やチャットを要約してオペレーターと顧客の両方に提供する機能や、スーパーバイザー向けに顧客からの評価が高いやり取りと低いやり取りを示すダッシュボードを生成する機能などを追加するとしている。

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