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キヤノンITS、多拠点・多工程の生産・物流計画を立案するPSIフレームワーク「SCPlanet」
2023年11月17日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2023年11月17日、生産計画・物流計画ソフトウェアフレームワーク「SCPlanet」を提供開始した。年商規模500億円以上の製造業および流通業に向けて提供する。複数の工場、物流手段、倉庫などからなるサプライチェーン全体で適切な生産・物流計画を立案する。サプライチェーンの下流で発生する突発的な需要に対して、上流にさかのぼってPSI(Production, Sales, Inventory:生産・販売計画・在庫)情報を更新する。パッケージではなくライブラリ群をSIサービスと共に販売する。価格は個別見積もり。
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)の「SCPlanet」は、製造業・流通業の生産計画・物流計画を立案するソフトウェアフレームワークである。複数の工場、物流手段、倉庫などからなるサプライチェーン全体で適切な生産・物流計画を立案する(図1)。
これまで顧客企業の環境に構築してきた生産・物流計画システムに共通する機能群をライブラリ化し、SIサービスと共に販売する。すでに4社の先行事例があるという(表1)。
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SCPlanetでは、工場や倉庫ごとにPSI(Production, Sales, Inventory:生産・販売計画・在庫)計画を立案する。各ポイントのPSI計画を連携・連鎖させる仕組みにより、サプライチェーンの下流で発生する突発的な需要に対して、上流にさかのぼってPSI情報を更新し、各拠点各工程での生産と補充のタイミングを決定する(図2)。
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輸送計画を対象に標準的な計画機能を定義したソフトウェアエンジンをオプションとして提供する。「幹線輸送(1次輸送)計画オプション」は、輸送方法や輸送量の上限値を考慮して適切な輸送計画を立案する。「輸配送(2次輸送)計画オプション」は、積載率、走行距離、所要時間などの各種評価指標を自動計算し、効率のよい輸配送計画を立案する。今後は、生産計画についても標準的な計画機能を順次パターン化してリリースする予定である(図3)。
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例えば、幹線輸送(1次輸送)計画オプションを使うと、ピーク時の輸送能力不足を解消できる。倉庫に在庫を補充する必要が生じ、工場側で輸送能力の上限を超える事態になると、時間軸をスライドして前後の輸送能力に余力がある時期に輸送する計画を立てる。それでも不足する場合は、並行生産している別の工場の輸送余力を振り向けて不足分を輸送する(図4)。
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フレームワーク提供の背景としてキヤノンITSは、現在の生産計画・物流計画において、個々の計画業務ごとにツールや担当者が分かれてサイロ化していることを挙げる。「担当者がExcelの手作業で立案しており、工場、工程、倉庫などが多段階・多拠点になるほどサプライチェーン全体で適切な計画を立てられなくなる。需要の変動や不測事態に対して柔軟に計画を組み替えられるシステムが求められている」(同社)。
業界・業種 | 構築したシステムの概要 |
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素材製造業 |
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化学製造業 |
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化学製造業 |
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電子部品製造業 |
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