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Webシステム実行環境「KUSANAGI」無償版、2032年まで長期サポートのAlmaLinux OS 9を選択可能に

2024年1月1日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

プライム・ストラテジーは2023年12月29日、Webシステム実行環境「KUSANAGI」において、稼働基盤(Linux OS)の組み合わせを拡充したと発表した。AlmaLinux OS 9とKUSANAGI 9無償版の組み合わせをサポートし、これで、KUSANAGIは有償版/無償版共にAlmaLinux OS 9で稼働できるようになった。AlmaLinux OS 9とKUSANAGI 9無償版の組み合わせで利用可能なクラウドサービスはMicrosoft AzureとAmazon Web Services(AWS)で、順次利用可能なクラウドサービスを拡充する。

 プライム・ストラテジーの「KUSANAGI」は、Webシステムのバックエンドシステムを高速に動作させるための実行環境である。LinuxとWebサーバー(Nginx、Apache)を中核に、言語、データベース管理システム、CMS(コンテンツ管理システム)などをパッケージ化している。CMS「WordPress」を高速化する用途で使うユーザーが多いが、業務アプリケーションを含めた任意のWebシステムを高速化可能である。

 Webシステムを構成するミドルウェア一式を、Linuxを含めた仮想マシンイメージ、またはDockerコンテナイメージの形態で提供している。仮想マシンイメージはクラウドサービスでも提供しており、クラウドベンダーのマーケットプレイス、または提携クラウドベンダーの管理コンソールから導入できる。KUSANAGIを利用可能なクラウドサービスは数十社ある。

 「有償版(Business Edition、Premium Edition)」と、機能を限定した「無償版」を提供している(表1関連記事Webシステム実行環境「KUSANAGI」に最上位版、Web高速化エンジンを標準搭載)。 

表1:KUSANAGIのエディションごとの機能の違い(出典:プライム・ストラテジー)
  無償版 Business Edition Premium Edition
KUSANAGIの標準機能
ベースOSのEOLまでの、リポジトリからの各種モジュールアップデート ×
最新版WordPress対する動作保証 ×
KUSANAGI Analyze
(分析機能)
×
KUSANAGI Container
(異なるPHPの運用機能)
×
WEXAL Page Speed Technology × ×

 今回、稼働基盤のLinux OSの組み合わせを拡充し、AlmaLinux OS 9とKUSANAGI 9無償版の組み合わせに対応した(図1)。

図1:Webシステム実行環境「KUSANAGI」のサポート期間(組み合わせたLinux OSのサポート期間に依存する)(出典:プライム・ストラテジー)
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 AlmaLinuxは、CentOSと同様、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のリビルドで構築したRHELのクローンOSである、CentOSと比較したAlmaLinux版のメリットはサポート期間の長さである。CentOSの開発プロジェクトはすでに終了し、CentOS 7のサポートも2024年6月に終了するが、AlmaLinux 8のサポートは2029年、AlmaLinux 9のサポートは2032年まで継続する。

 KUSANAGIはもともとCentOS版を提供してきたが、CentOSのサポート終了発表を受け、代替としてCentOS Stream版を提供。その後、企業情報システムでのニーズが高まったことから、サポート期間が長いAlmaLinux OS版を追加した経緯がある。

 KUSANAGIによるAlmaLinux OSへの対応状況は以下のとおりである。

  1. 2022年9月:AlmaLinux OS 8 / KUSANAGI有償版
  2. 2022年12月:AlmaLinux OS 9 / KUSANAGI有償版
  3. 2023年11月:AlmaLinux OS 8 / KUSANAGI無償版
  4. 2023年12月:AlmaLinux OS 9 / KUSANAGI無償版

 AlmaLinux OSは企業情報システム用途が主であるため、KUSANAGI有償版との組み合わせからサポートを始めている。2022年9月にAlmaLinux OS 8版を、同年12月にAlmaLinux OS 9版を提供。この時点で無償版はCentOS Streamとの組み合わせのみ提供していた。

 2023年11月には、KUSANAGI無償版においても、CentOS Stream版に加えてAlmaLinux OS版を選択できるようにAlmaLinux OS 8版をサポート。今回、無償版とAlmaLinux OS 9の組み合わせに対応することで、有償版/無償版を問わず、AlmaLinux OS 8/9の両方で利用できるようになった。

 KUSANAGI無償版とAlmaLinux OS 9の組み合わせで利用可能なクラウドサービスは、同日時点でMicrosoft AzureとAmazon Web Services(AWS)となっている。順次利用可能なクラウドサービスを拡充する。

 一方、KUSANAGI無償版とAlmaLinux OS 8の組み合わせでは、Azure、AWS、Google Cloud Platform(GCP)、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)、Alibaba Cloudの5大IaaSのほか、エックスサーバーの「Xserver VPS」「シン・VPS」で利用できる。

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プライム・ストラテジー / KUSANAGI / AlmaLinux / CentOS / Linux / CMS / 保守・サポート

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