[市場動向]

富士通とAWS、レガシーシステムのAWS移行支援で協業、今後5年間で40社のメインフレームを移行

リライトツール「AWS Blu Age」でCOBOLをJavaに自動変換

2024年3月18日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

富士通と米AWSは、レガシーシステムのモダナイゼーションで協業する。メインフレームやUNIXサーバー上で稼働する基幹システムを対象に、アセスメントからAWSへの移行まで一貫して支援する。メインフレームでは「AWS Blu Age」を使ってCOBOLやPL/IをJavaにリライトしてAWSクラウドに移行する。メインフレーム移行支援の目標は2029年度までの5年間で国内30社、海外10社。今回の協業を「Modernization Acceleration Joint Initiative」と呼び、2024年4月1日に取り組みを開始する。富士通とAWSジャパンが2024年3月18日に発表した。

 富士通と米Amazon Web Services(AWS)は、レガシーシステムのモダナイゼーションで協業する(写真1)。メインフレームやUNIXサーバー上で稼働する基幹システムを対象に、アセスメントからAWSへの移行までを一貫して支援する。

 メインフレームについては、リライトツール「AWS Blu Age」を使ってCOBOLやPL/IをJavaに自動変換する。両社は今回の協業を「Modernization Acceleration Joint Initiative」と呼び、2024年4月1日に取り組みを開始する(図1)。

図1:富士通とAWSによる協業の内容(出典:富士通)
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 背景には、レガシーシステムをオープン系ソフトウェアやクラウドサービスに移行する需要がある。例えば、富士通は2022年、自社のメインフレームとUNIXサーバーの販売終息時期と保守終了時期を発表している(メインフレームは2030年度に販売終息、2035年度に保守終了。UNIXサーバーは2029年度に販売終息、2034年度に保守終了)。この富士通の発表を受けてAWSが富士通にアプローチし、今回の協業につながった。

 メインフレームからの移行方法には大きく、リビルド(一から再開発)、リライト(COBOLなどをJavaなどに書き換え)、リホスト(COBOLなどを書き換えを行わず、システム基盤のみを入れ替え)の3種類がある。今回の協業ではリライトによる移行を採用した。リビルドの需要もあるが、「レガシーアプリケーションをリライトによってモダナイゼーションするニーズが大きい」(富士通)ことから、第1段階としてこの需要に応える。

 取り組みにあたって、富士通が社内で運用する保守管理システムを対象に、AWS Blu Ageによるリライトを検証、システムの機能が同等に稼働することを確認した。この協業の先行事例として、高島屋(本社:大阪府大阪市)がメインフレームのモダナイゼーションを推進中である。

 富士通のメインフレーム「GS21シリーズ」のユーザーに対する移行支援目標は2029年度までの5年間で国内30社、海外10社。これとは別に、他社製メインフレームを利用しているユーザーにも移行サービスを提案・展開する。なお、現在ユーザーが稼働中の同社製レガシーシステムの台数は、メインフレームが約700台、UNIXサーバーが約9400台。

 なお、富士通は2022年9月に、モダナイゼーションを推進するCoE機能として「モダナイゼーションナレッジセンター」を開設している。開設当初は数人でスタートし、現在約70人、2025年3月末には150人の要員を育成する予定である。(関連記事富士通、既存システムの見直しと刷新を支援する「モダナイゼーションサービス」


写真1:富士通 執行役員SEVP グローバルテクノロジーソリューションの島津めぐみ氏(写真左)と、米Amazon Web Services グローバルサービス担当バイスプレジデントのウウェム・ウクポン氏(写真右)
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