アイ・ティ・アール(ITR)は2024年3月21日、国内のERP製品市場における規模の推移と予測を発表した。2022年度の売上金額は前年度比11.6%増の1687億円だった。2023年度は前年度の伸びを上回る同17.5%増を見込んでいる。提供形態別では、2022年度のSaaS型ERP市場は同26.8%増の一方、ERPパッケージ市場は同3.4%減だった。
アイ・ティ・アール(ITR)によると国内ERP製品市場の2022年度の売上金額は、前年度比11.6%増の1687億円だった。2023年度は、パッケージ製品からSaaSにシフトしてやや低調だった一部のERPベンダーの売上げが徐々に上向きに転じていることなどから、前年度の伸びを上回る同17.5%増を見込んでいる(図1)。
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「インボイス制度など各種法改正の対応や、老朽化したERPのリニューアルプロジェクトの増加と共に、リモートワークやハイブリッドワークといった働き方の多様化も市場拡大の追い風になった」(ITR)
パッケージとSaaSの提供形態別で比較すると、2022年度のSaaS型ERP(クラウドERP)市場は同26.8%増の一方、ERPパッケージ市場は同3.4%減だった。「主要ベンダーは新規ERPプロジェクトの受注に加えて、ERPパッケージを導入済みの企業に対してもSaaSの販売を推進している」(同社)という。ITRはSaaS市場のCAGR(2022~2027年度)を20.3%、パッケージ市場のCAGRをマイナス成長の-2.5%と予測している。
「ERP市場は2022年度も2ケタ増を維持し、2023年度はさらに好調に推移しており、新規ライセンスおよびサブスクリプション売上げは2000億円に届く勢いを示している。同市場の拡大はSaaSの好調な進展によるものである」(ITR)
今回の発表は、市場調査レポート「ITR Market View:ERP市場2024」に基づく。同レポートは、ERP市場を対象に、国内52ベンダーへの調査による2021~2022年度売上実績および2027年度までの売上予測を掲載している。