[事例ニュース]
伊藤忠商事、海外基幹システムをS/4HAMA Cloudに移行、アドオン開発を9割削減
2024年4月24日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三
伊藤忠商事(本社:東京都港区)は、海外の基幹業務システムを「SAP S/4HANA Cloud」で再構築中である。業務を標準に合わせ、アドオン開発を削減してアプリケーションを再構築するグリーンフィールドアプローチを採用する。北米法人のシステム刷新から始まって、他の北米グループ10社や欧州のシステムを刷新。現在、アジア太平洋、中国への展開を準備、2025年11月までに全拠点を刷新する。機能テストには「SAP Enterprise Continuous Testing by Tricentis」を利用している。Tricentis Japanが2024年4月24日に開いた説明会にキーパーソンが登壇して取り組みを説明した。
写真1:海外基幹システムのSAP S/4HANA Cloud移行とテスト自動化の取り組みを説明する、伊藤忠商事 准執行役員 IT・デジタル戦略部長の浦上善一郎氏拡大画像表示
伊藤忠商事は、海外拠点の基幹業務システムをクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」で再構築中である。2020年11月に北米現地法人のシステムを刷新したのを端緒に、他の北米グループ10社や欧州圏のシステムを刷新。現在、アジア太平洋、中国圏への展開を準備している。2025年11月までに全拠点を刷新する計画である。
伊藤忠グループは、1996年に北米で「SAP ERP(ECC)」を初導入している。同製品をベースに構築した基幹システム「G-SAP」を、2002年からアジアや欧州を含む25カ国40拠点に展開。以前のスクラッチ開発システムから順次置き換えていった。データベースはSQL Serverだった。
伊藤忠商事 准執行役員 IT・デジタル戦略部長の浦上善一郎氏(写真1)によると、SAP ERPによるG-SAPシステムは長期運用もあって、元のアプリケーションからの変更(モディフィケーション)やアドオン開発が増え、さらなる改善や新規の業務プロセスへの対応が困難になっていたという。
使い勝手についてもUIやオペレーションが複雑化し、ERPが本来カバーしているプロセスや機能が使われていなかった。また、SAP ECC6.0のサポート終了時期を迎えていた。
図1:海外基幹システムのSAP S/4HANA Cloudへの移行プロジェクトの概要(出典:伊藤忠商事)拡大画像表示
こうした経緯から、SAP ERPをMicrosoft Azure上のS/4HANA Cloudに移行することを決定。業務を標準に合わせ(Fit to Standard)、アドオン開発を削減してアプリケーションを再構築するグリーンフィールドアプローチを採用した。
移行の過程で、約3000件あったSAPオブジェクトのモディフィケーションをすべて撤廃し、アドオンプログラムを9割削減した。操作性を高めるために、UIは全面的にWebインタフェースを採用した。同時に、ワークフローやペーパーレスに取り組んで業務のデジタル化を図り、データ分析機能を構築した(図1)。
●Next:テスト自動化ツールで機能追加時の回帰テスト時間を短縮
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