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A10ネットワークス、2μs未満の低遅延をうたう負荷分散装置「A10 Thunder 3745-FPM」
2024年6月7日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
A10ネットワークスは2024年6月7日、負荷分散装置の新機種「A10 Thunder Ultra Low Latency(A10 Thunder 3745-FPM)」を発表した。専用アーキテクチャにより、平均レイテンシー1.901μs(マイクロ秒)/最大レイテンシー1.945μsと、一般的な負荷分散装置の1000分の1の遅延時間をうたう。オンライン金融取引やIoTのリアルタイム監視/遠隔制御など、リアルタイム処理が求められる用途に向くとしている。
A10ネットワークスは、「A10 Thunder」ブランドの負荷分散装置(ロードバランサー)製品を開発・提供している。負荷分散装置は、ネットワークトラフィックやサーバーにかかる負荷(load)を複数のサーバーに分散させる仕組みを提供する。サーバーの台数を増やすことで、システム全体の応答性能を高めることができる。大規模なWebサイトなどにおいて一般的に使われている。
A10 Thunderにおけるハードウェア面の特徴として、ASIC(特定用途向けIC)やFPGA(Field Programmable Gate Array:論理回路を書き換え可能なチップ)の採用、CPUのマルチプロセッサ化などによって処理性能を高めている。2017年からは、金融取引のためのFIX(Financial Information eXchange)プロトコルの遅延をハードウェアアクセラレータで軽減する「Thunder 3745」を提供している。
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新機種の「A10 Thunder Ultra Low Latency(A10 Thunder 3745-FPM)」(写真1)は、ハードウェアアクセラレータのFPM(Flow-Processing Module)を強化し、FIXプロトコルだけでなく、TCP上の任意のアプリケーションプロトコルを低遅延化した。金融取引のほか、IoTデバイスの監視や遠隔制御など、リアルタイム処理が求められる用途に向くとしている。
A10ネットワークスによると、同機種のレイテンシー(遅延時間)は、パケットサイズ670バイトのFIXプロトコルの場合で、平均レイテンシー1.901μs(マイクロ秒)/最大レイテンシー1.945μs。一般的な負荷分散装置の1000分の1のレイテンシーをうたっている。