レッドハットは2024年6月20日、説明会を開き、2024年度(同年1月~12月期)に注力する事業について説明した。仮想マシンからコンテナへの移行、AIの民主化、開発者体験の向上、エッジの4つに注力する。
拡大画像表示
レッドハットは、2024年度(2024年1月~12月期)に注力する事業として、(1)仮想マシンからコンテナへの移行、(2)AIの民主化、(3)開発者体験の向上、(4)エッジの4つを挙げた。
(1)コンテナへの移行の推進について、レッドハット 代表取締役社長の三浦美穂氏(写真1)は、「米国企業と比べて日本企業のコンテナ導入率は低く、伸びしろがある」とした。
コンテナ化の第一歩となる機能として、コンテナ環境で仮想マシンを実行可能な「OpenShift virtualization」を提供している。KVMの仮想マシン(VM)を起動するPodを作成し、他のコンテナと同様に配備して実行可能である(関連記事:レッドハット、仮想マシンをコンテナと同様に管理できる新機能「OpenShift virtualization」)。
(2)AIの民主化については、ファインチューニング手法の1つであるLAB(Large-scale Alignment for chatBots:大規模言語モデル〈LLM〉を用いたチャットボットの効率的な訓練方法)に準じたツール「InstructLab」など、ビジネスユーザーみずからLLMにデータを追加学習させる仕組みを提供する。Q&Aのデータ(YAML形式)を用意すれば、簡単に業務のナレッジをLLMに反映可能だとしている。
これまでの一般的なファインチューニングでは、追加学習に使うデータの収集が難しかった、と同社は指摘。そこでInstructLabを使うと、タクソノミー(分類学)に基づき、数件のサンプルとナレッジデータから大量の学習用データを生成可能という(関連記事:IBMが生成AIへの取り組みを加速、AIモデル/ツールをオープンソースで公開、自社製品に実装)。
(3)開発者体験の向上では、同社がグローバルで展開するオープンイノベーションラボ(Open Innovation Labs)の下、開発のチームビルディングや企業カルチャーの醸成を伴走型で支援する。加えて、ツールや開発ノウハウを共有するための開発者向けポータル「Developer Hub」を用意する。
(4)エッジの領域では、エッジ端末向けのコンテナ環境「Red Hat Device Edge」を提供している。導入直後から「Ansible」で管理可能だとしている。