ECサイトの構築・運用やマーケティングなどの事業を営むシンガポールのAnyMind Group。同社はグローバルの基幹業務システムとしてクラウドERPを活用している。2018年に財務プロセスの効率化や事業の内部統制強化を目的に、米オラクルのクラウドERP「Oracle NetSuite」を導入。業務効率の向上と共に、ビジネス意思決定の迅速化を図っている。日本オラクルが2024年7月16日に発表した。
AnyMind Groupは、2016年4月にシンガポールで創業し、日本を含むアジア市場を中心にECサイトの構築・運用やマーケティング、生産管理、物流などの事業を展開している。システムと運用支援をトータルで提供する「BPaaS(Business Process as a Service)」モデルを採用している。
同社名の日本法人によると、創業後、子会社を増やしながら事業を拡大する過程で、グループ全体の売上管理工数の増加や複雑な財務プロセスが課題となっていたという。課題を解決するため、2018年に米オラクルのクラウドERP「Oracle NetSuite」(画面1)を導入。2023年3月に東京証券取引所グロース市場に上場した日本法人は、上場企業としての要件を満たす基幹業務システムとして運用している。

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「創業間もないタイミングでNetSuiteを導入したことにより、グローバルオペレーションを一元的に把握して財務プロセスを合理化し、生産性の向上とコストの削減を図ることができた。合わせて、上場企業としての要件を満たすコーポレートガバナンスを確立している」(AnyMind Group)。
NetSuiteが同社独自の業務プロセスを単一のシステムに統合したことで、財務報告などのスピードと精度が共に向上した。例えば、手作業によるレポート作成のプロセスを廃し、ワークフローを自動化することで、決算に必要な時間を短縮している。「財務プロセスを一元化することで、リアルタイムでビジネスの洞察を得て、迅速なビジネス意思決定を可能にしている」(同社)。