[調査・レポート]
2023年度の国内プロセスマイニング市場は46.9％増の急成長、調達・購買分野での採用が活発化─ITR
2024年7月24日(水)IT Leaders編集部
アイ・ティ・アール（ITR）は2024年7月23日、国内のプロセスマイニング市場における規模の推移と予測を発表した。2023年度の同市場は、調達業務での採用拡大などにより、前年度比46.9%増の25億7000万円だった。年平均23.9％で成長し、2028年度には75億円規模に達する見込みである。
アイ・ティ・アール（ITR）は、国内のプロセスマイニング市場における規模の推移と予測を発表した。調査にあたってプロセスマイニングを「企業内の各種業務システムに蓄積されているイベントログなどを入力データとして、部門をまたぐ業務プロセスの処理パターンを可視化・分析する製品・サービス」と定義している。
「プロセスマイニングは、プロセスに関わる工数の算出、例外処理やボトルネック、不十分な職務分掌の抽出などを通して、全社規模での業務改善を支援する」（同社）
2023年度の同市場の売上金額は前年度比46.9％増の25億7000万円だった。2024年度はさらに伸びて同38.9％増を予測している。同社によると、業務プロセスの効率化・自動化を実現する製品・サービスとして市場認知度が高まっており、大企業を中心に着実に導入が拡大しているという（図1）。
図1：プロセスマイニング市場における規模の推移と予測（2022～2028年度予測）（出典：アイ・ティ・アール）拡大画像表示
ベンダーでは、独Celonis（セロニス）が高いシェアで市場の伸びを牽引しているが、他の多くのベンダーも高成長を示しており、市場は今後も高い伸びを維持する見込みという。同市場のCAGR（年平均成長率、2023～2028年度）は23.9％で、2028年度には75億円に達すると予測している。
は、「プロセスマイニングは、AI技術の進展と、専門知識を持たない人でも扱いやすい製品・サービスの登場などにより、より現実的な投資対象になってきている」と説明する。特に、原材料費の高騰や国際紛争の影響により、調達・購買分野での採用が活発化しているという。
今回の発表は、市場調査レポート「ITR Market View：RPA/iPaaS/ワークフロー市場2024」に基づく。同レポートは、RPA、iPaaS、BPM、BRMS（Business Rules Management System）、ワークフロー、タスクマイニング、プロセスマイニング、SaaS管理の全8分野を対象に、国内60ベンダーへの調査から、2022～2023年度売上実績および2028年度までの売上予測を掲載している。
