メタデータは2024年9月4日、RAG(検索拡張生成)システム「ChatBrid」のWeb画面を機能拡充し、同年10月から提供すると発表した。エンドユーザー向けに、ユーザーの「次の質問」を予想して3~4個のボタンを生成する機能を追加した。管理者向けに、検索対象となるナレッジへのアクセス権限をWeb画面上で設定できるようにした。
メタデータの「ChatBrid」は、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)構成に対応した生成AIシステムである。社内のコンテンツを登録しておくことで、これらを検索して得たナレッジを基に回答を生成する。大規模言語モデル(LLM)は社外/社内のいずれのモデルも利用可能である。
ChatBridではこれまで、既存のチャットツール(Slack、Teams、LINEなど)をUIとして使い、APIを介してRAGを利用する仕組みだった。Web画面も備えていたが、ナレッジの登録など開発者・管理者向けの機能がメインで、UIは動作確認用という位置づけだった。
今回、エンドユーザー向けに生成AIへの問い合わせにおいて、「次の質問」を予想して3~4個のボタンを生成する機能を追加した。加えて、過去履歴の編集・削除などの機能を追加している(画面1)。
管理者向けには、検索対象となるナレッジへのアクセス権限をWeb画面上で設定できるようにした。閲覧可能/不可能を役職(役員、部課長、一般社員など)と部署(企画、営業、開発など)に応じて制御できる(画面2)。
その際、アクセス制御可能なナレッジの単位を細かく設定可能である。ナレッジのジャンル(データセット)単位、マニュアル単位、レコード単位で、それぞれ立てたフラグに従って識別し、当該の質問者がアクセス可能なものだけをLLMに送る。
ほかには、検索文字列を厳密に一致させる機能を追加している。「通常の類似検索では少しの違いを同一視しがちで、似て非なる名称や型番について取り違えを起こすことがある。これは回答を信じたユーザーにとって致命的なエラーとなりうる」(同社)。この問題に対処すべく、素材名、薬剤名、重要な分量数字などについては厳密に一致するものだけがヒットするようにしている(画面3)。