[事例ニュース]

大和ハウス工業、物流倉庫の荷待ち・荷役時間をカメラ映像解析で可視化するシステムを開発

物流倉庫のテナント企業に向けた付加価値サービスとして提供

2024年9月9日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

大和ハウス工業(本社:大阪府大阪市)は2024年9月9日、同社がテナント企業向けに運営する物流倉庫「DPL」の付加価値サービスとして、トラック運転手の荷待ち・荷役時間をカメラ映像の画像解析によって可視化するシステムを開発したと発表した。システムはキヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)が開発・提供する。同年11月1日に「DPL平塚」(神奈川県平塚市)で実証実験を始め、2025年4月以降、全国のDPLへの本格導入を目指す。

 大和ハウス工業は、国内のテナント企業(物流会社)向けの物流倉庫「DPL(ディーピーエル)」を、これまでに332棟(総延床面積約1295万㎡)開発してきた。2018年には「トラックの入場予約システム・オンラインチェックインシステム」を提供するなど、物流の効率化・自動化に注力している。

写真1:大和ハウス工業がテナント企業向けに運営する物流倉庫「DPL平塚」の外観(提供:大和ハウス工業)
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 今回、DPLの付加価値を高めるサービスとして、トラック運転手の荷待ち・荷役時間をカメラ映像の画像解析によって可視化するシステムを、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)の協力を得て開発した。2024年11月1日にマルチテナント型物流倉庫「DPL平塚」(神奈川県平塚市、写真1)で実証実験を始め、2025年4月以降、物流施設への本格導入を目指す。

 同システムは、カメラ映像に写ったトラックのナンバープレートから、物流事業者を識別する。物流倉庫への入場からバース(荷積み/荷卸しなどを行うトラックの停車場所)への移動、バースでの荷役(荷積み/荷卸し)作業、物流倉庫の退場までを自動で記録する。さらに、カメラ映像からドライバーの行動や動きも分析し、荷待ちや荷役の時間を計測する(図1)。

図1:物流倉庫の荷待ち・荷役時間をカメラ映像解析で可視化するシステムの概要(出典:大和ハウス工業、キヤノンマーケティングジャパン)
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 テナント企業には、システムの可視化・分析のためのダッシュボード画面をクラウド型で提供する。Web画面で、トラックごとに施設入場時刻、バース到着/出発時刻(バース滞在時間)、荷待ち時間、荷役時間などが分かり、実際の映像も見ることができる。どの工程/作業に時間を要しているかを把握でき、物流の効率化に向けた改善につながるとしている。

 キヤノンMJは、主に製造業の工場に向けてカメラ映像に映る作業者の動きから作業内容をAIで分析するシステムを複数開発しており、これらのソフトウェア資産を基に、今回の開発に携わっている。

 背景として、2024年4月にトラック運転手の時間外労働に上限が設けられたことなどを受け、経済産業省、農林水産省、国土交通省の連名で、発荷主事業者・着荷主事業者・物流事業者が早急に取り組むべき事項をまとめたガイドラインが提示されている。ガイドラインでは、荷待ちや荷役作業にかかる時間を把握したうえで、これらの時間を2時間以内とすること、達成した場合は1時間以内を目標に時間の短縮に努めることなどを定めている。

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