[調査・レポート]

2023年度の国内ERP市場は前年度比17.7%増、刷新プロジェクトの増加で成長が続く─ITR

パッケージは2.2%の微増、SaaSは29.3%増と急成長

2025年3月7日(金)IT Leaders編集部

アイ・ティ・アール(ITR)は2025年3月6日、国内ERP市場の規模の推移と予測を発表した。2023年度の売上金額は前年度比17.7%増の2027億円で、2024年度は同18.2%増の伸びを予測している。インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正対応に加え、老朽化したERPシステムの刷新プロジェクトが増加していることが市場の成長につながったという。

 アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のERP(統合基幹業務システム)市場の規模の推移および予測を発表した。2023年度の売上金額は前年度比17.7%増の2027億円で、2024年度は同18.2%増の伸びを予測している(図1)。

図1:ERP市場規模の推移と予測:提供形態別(2022~2028年度)(出典:アイ・ティ・アール)
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 インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正対応に加え、老朽化したERPシステムの刷新プロジェクトが増加していることが市場の成長につながったという。ITRは、国内企業が業務デジタル化の推進に加え、ビジネスの基盤である基幹業務システムの刷新に向けた投資を継続していることを見て、同市場が中期的に2ケタ増で推移することを見込んでいる。

 図1が示すように、ERPのパッケージ製品とSaaS製品の提供形態別の比較を行っている。2023年度のパッケージ市場が前年度比2.2%増に対し、SaaS市場は同29.3%増の高い伸びを示した。CAGR(2023~2028年度)はパッケージ市場がマイナス2.0%、SaaS市場がプラスの20.6%と算出している。

 同社プリンシパル・アナリストの浅利浩一氏は、「多くの企業は基幹システムの刷新に引き続き注力している。短期的には2027年度、中長期的には2030年度に向けて、システム稼働のマイルストーンを設定した導入が進められていく。当初懸念された導入・構築のパートナー不足も、短期、中長期で案件が分散・平準化されていることで、ある程度解消できている」とコメントしている。

 今回の発表は、市場調査レポート「ITR Market View:ERP市場2025」に基づく。同レポートは、ERP市場を対象に、国内53ベンダーへの調査から2022~2023年度売上実績および2028年度までの売上予測を掲載している。

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