[新製品・サービス]
YE DIGITAL、物流倉庫/製造業の運用保守データ活用を支援する「AQUA DataFusion」
2025年4月7日(月)IT Leaders編集部
安川電機グループのYE DIGITALは2025年4月4日、運用保守データ活用サービス「AQUA DataFusion」を同年6月から提供すると発表した。同社のITカスタマーサービスセンター「Smart Service AQUA」の運用管理データ活用システムとAI分析ノウハウを基に、物流倉庫・製造業に向けて提供する。
安川電機グループのITベンダーであるYE DIGITAL(2019年3月に安川情報システムから社名変更)。同社の「AQUA DataFusion」は、物流倉庫・製造業に向けて提供する、運用保守データ活用サービスである。
同社のシステム運用保守サービス拠点であるITカスタマーサービスセンター「Smart Service AQUA」(福岡県北九州市、写真1)のシステムとAI分析ノウハウを基にサービスを構築している。

サービスの基盤として、現場からの問い合わせ情報(インシデント)、保守対応情報、機器稼働情報、作業情報、マニュアルなど、運用保守に関する種々のデータを集約・蓄積している。
これらの蓄積されたデータを基に、生成AIが問い合わせなどに適切な回答を行うシステムを構築。問い合わせの内容をそのまま入力して検索できる。合わせて、作業報告書や点検記録などの保守対応情報をタブレットで入力する仕組みを提供する。以下の3つのサービスメニューで構成する。
(1)問い合わせデータ活用サービス
蓄積したインシデントや保守対応情報を基に、問い合わせに生成AIが回答し、問い合わせをクロージングするまでの時間の短縮と対応品質の向上を図る。インシデント分析により、システムの改修や操作の教育などによって、問い合わせそのものを減らすための気づきを得られるように支援する。
(2)設備保全管理サービス
機器の稼働情報や保守対応情報を基に、メンテナンス実施時期を判断して通知する。機器故障による稼働停止のリスクを減らすほか、先々の部品交換の目安が把握できることから調達業務の効率を高める。
(3)AIナレッジ照会サービス
マニュアルやFAQなどの情報をナレッジにして回答するRAG(検索拡張生成)システムを提供する。社内の知識・ノウハウを共有・活用することで業務効率化やスキルアップを支援する。問い合わせデータ活用サービスとの連携で、問い合わせや保守対応の情報をひもづけて回答することで実用的な回答が得られる。
YE DIGITALの社内事例として、システム運用を請け負う顧客からの問い合わせとして、1カ月100件の対応に400時間かかっていたのが260時間になった。また、200件の問い合わせ対応のために、過去1000件の情報から類似例を調査・確認するだけで67時間を要していたが、生成AIの活用によって半分以下の24時間で済んでいるという。
今後、AQUA DataFusionが機器稼働データを活用できるように、物流向け倉庫管理システム「MMLogiStation」と連携させる。また、作業者のオペレーションデータについては、意思決定ダッシュボード「Analyst-DWC」との連携で、データのリアルタイム性向上など図っていくしている。