[インタビュー]
Linuxからコンテナ/エッジ/AIへ、“オープンソース変革”の対象を拡大─SUSE
2025年5月22日(木)齋藤 公二(インサイト合同会社 代表)
Linux OSにとどまらず、コンテナやクラウドにまで事業領域を広げているSUSE。IoTやエッジ、AIなどの領域で新しいソリューションを展開し、オンプレミスからマルチハイブリッドクラウド環境までカバーするクラウドネイティブ企業として存在感が増している。同社APAC担当ゼネラルマネジャーのジョゼップ・ガルシア(Josep Garcia)氏に、SUSEの現在位置や日本市場における展望を聞いた。
ベンダーロックインに陥らないための選択肢を提供
──今のSUSEのビジョンやコアコンピタンスを教えてください。
ジョゼップ・ガルシア(Josep Garcia)氏(写真1):SUSEのビジョンは、オープンソースの無限の可能性をエンタープライズに届けることです。オープンソースソフトウェア(OSS)は20数年にわたって多くのイノベーションをもたらしてきました。SUSEはオープンソースコミュニティと連携してソフトウェアの可用性・信頼性を高め、企業・組織がそうしたイノベーションを安心して利用できるように努めています。
最大の差別化要因は、選択肢を提供できることです。多くのソフトウェアベンダーは顧客をロックインして不要なアップデートを強制し、イノベーションではなくメンテナンスに時間とコストをかけさせます。SUSEは、顧客が別の選択肢をとり、イノベーションへのシフトを加速できるようにします。

──歴史の長いLinuxディストリビューターとして知られています。現在はどのような点にフォーカスしていますか。
ユーザーはさまざまなLinux OSから最適なものを選べます。SUSEの特徴は、「SUSE Linux Enterprise(SLE)」の提供のみならず、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」「CentOS」「Ubuntu」などの複数のディストリビューションを統合して管理する手段を提供できることです。
OSだけでなく、コンテナプラットフォームも同様です。近年、コンテナを活用したAIやエッジのアプリケーションの開発が活発ですが、SUSEは、Linuxだけでなく、Amazon Web Services(AWS)やマイクロソフト、Google Cloudなどが提供するコンテナプラットフォームも横断的に管理することができます。
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