NECは2025年8月1日、地域金融機関20社と共同で「Agentic AI共同研究会」を発足し、同年7月30日に初回の会合を開いたと発表した。生成AI技術の金融業務への効率的かつ安全な適用を共同で推進し、業界横断での課題解決を図る。同研究会は2024年度実施の「地域金融機関 生成AI共同研究会」の第2期にあたる。
NECは、地方銀行、信用金庫などの地域金融機関20社と共同で「Agentic AI共同研究会」を発足し、2025年7月30日に初回の会合を開催した。運営主体はNECで、研究の目的は、生成AI技術の金融業務への効率的かつ安全な適用を共同で推進し、業界横断での課題解決を図ることである。
同研究会は、2024年度に実施した「地域金融機関 生成AI共同研究会」の第2期にあたる。
第1期は事例共有や特定ユースケースにフォーカスした検証を行った。15の地域金融機関が参加し、融資稟議や預かり資産販売業務における生成AI活用ユースケースを共同で検証した。成果をホワイトペーパーとして公開している。
第2期は金融業務への具体的な実装と、生成AI適用効果の明確化を図る。「自律型エージェントの活用検討やアセスメントを通じ、業務フロー全体での活用高度化に取り組む」としている。
今期の主な活動内容として、以下の3つを挙げている。2025年7月末~2026年2月末の期間、月次での実施を予定している(図1)。
- 共同検証:Microsoft Azure OpenAI ServiceやNEC開発の生成AI「cotomi(コトミ)」を含む自律型エージェント技術を活用した金融業務での具体的なユースケースを検討する。
- 活用高度化:NEC独自のAI活用成熟度診断アセスメントを使用し、各金融機関のAI活用状況を評価し、各機関の状況に応じた効果的なAI適用の順序や活用方法を検討する。
- ナレッジ共有:参加金融機関間での生成AI活用状況/事例を共有する。

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Agentic AI共同研究会の参加金融機関は以下の20社である(50音順、2025年7月28日時点)。
- 愛媛銀行
- 大垣共立銀行
- 沖縄銀行
- 紀陽銀行
- 群馬銀行
- 三十三銀行
- 静岡銀行
- 信金中央金庫
- 第四北越銀行
- 東京スター銀行
- 名古屋銀行
- 農林中央金庫
- 浜松いわた信用金庫
- 肥後銀行
- 広島銀行
- 横浜銀行
- 横浜信用金庫
- ほか系列金融機関3社