[新製品・サービス]
オラクル、顧客体験クラウド「Oracle Cloud CX」に15種のAIエージェントを追加
マーケティング・営業・顧客サービス業務を自動化
2025年10月14日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三
米オラクル(Oracle)は2025年10月6日(米国現地時間)、クラウド型の顧客体験(CX)管理システム「Oracle Fusion Cloud Customer Experience」に15個のAIエージェントを追加したと発表した。マーケティング領域、営業、顧客サービスの領域で業務を自動化する。
「Oracle Fusion Cloud Customer Experience(Oracle Cloud CX)」は、マーケティング、営業、顧客サービスの各顧客接点における顧客体験(CX)を管理するシステムである。顧客データを一元化し、リード(見込み客)管理から商談進行、契約後のサポートまで顧客のライフサイクル全体をカバーする(画面1)。

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今回、3つの顧客接点ごとに、以下の15個のAIエージェントを追加した。マーケティング・営業・顧客サービス業務の自動化を支援する。
マーケティング領域
- アカウント製品適合エージェント:マーケティング担当者が購買の可能性が高い顧客を優先対応できるよう支援する。理想的な顧客プロファイル(Ideal Customer Profile:ICP)や予測スコアリング、アカウントデータ、エンゲージメントシグナルデータを用いて購買意欲が高い顧客を特定する。
- 購買グループ定義エージェント:マーケティング担当者がペルソナごとに戦略を効果的にパーソナライズできるよう支援する。タイトルマッピングアルゴリズムを用い、連絡先ごとの特定の業界や製品購買における役割を特定する。
- モデル適格判定エージェント:マーケティング担当者がターゲット設定やコンテンツのパーソナライズを正確に行えるよう支援する。予測モデルに基づいて最適な対象オーディエンスを推奨し、既存データが条件を満たしているかを評価する。
営業領域
- 商談アドバイザーエージェント:営業担当者が商談を迅速にクロージングできるよう必要な情報を提供する。製品や価格概要、製品・サービスのガイド、顧客事例、ユースケースなどから必要な情報を自動抽出し、見込顧客に提供できるようにする。
- 見積アシスタントエージェント:提案に対する迅速かつ具体的な回答を提供することで、営業担当者が多くの商談を迅速に成立させられるよう支援する。
- 製品推奨エージェント:営業担当者がクロスセル/アップセルの機会を特定できるよう支援する。顧客履歴や好み、見積もりデータを分析し、組み合わせ販売や追加商品に関する推奨を提示する。
- 見積要約エージェント:営業担当者が商談の主要なポイントを迅速に把握できるよう支援する。見積もりの内容、履歴、次に取るべき行動を要約する。
- 契約アドバイザーエージェント:営業担当者が契約書類の内容を迅速に理解できるよう支援する。契約上の義務や重要な条項を要約する。
- リードアドバイザーエージェント:営業担当者が見込顧客の主要なポイントを迅速に把握できるよう支援する。見込顧客の行動、エンゲージメント、プロファイルの詳細、アカウント情報などに関する洞察と、次のアクションを提示する
サービス領域
- トリアージエージェント:サービス担当者が問題解決までの時間を短縮し、多くのサービスリクエストに対応できるよう支援する。製品、カテゴリー、重大度、感情といった情報を収集してサービスリクエストを分析し、顧客の問題を理解したうえでチケットに優先順位を付ける。
- セルフサービスエージェント:サービス担当者が時間を節約し、重要な問題に集中できるよう支援する。Webサイト、カスタマーポータル、モバイルアプリケーションを通じて、手順に沿ったガイダンスを提供し、顧客みずから問題を解決できるよう支援する。
- サービスリクエスト作成エージェント:サービス担当者が適切な文脈で迅速にリクエストに対応できるよう支援する。顧客とのチャット、電話の通話記録、メールリクエストを自動的に実用的なサービスリクエストに変換する。
- 作業指示エージェント:フィールドサービス部門が迅速にスタッフを派遣し、初回訪問でリクエストを解決できるよう支援する。タイトル、メモ、タイプ、アカウント、連絡先詳細といった属性を入力したドラフトの作業指示を自動生成し、フィールド技術者が事前検証済みの情報に基づき迅速に問題を解決できるようにする。
- サービスリクエストクラスタリングエージェント:サービス担当者の生産性を向上し、解決までの時間短縮を支援する。類似するサービスリクエストを分析して再発傾向のある問題を特定し、重複するリクエストを削減する。
- エスカレーション予測エージェント:サービス担当者がエスカレーションのリスクが高いサービスリクエストを事前に特定できるよう支援する。リクエストの属性に基づいて顧客の感情を分析し、エスカレーションの可能性が高いリクエストを予測する。