[調査・レポート]

日本のCXリーダーの7割がAI投資の効果を実感も、“AIへの信頼”は海外に比べかなり低い─Zendesk調査

消費者の95%が「AIの判断根拠」を要求、透明性なき自動化は信頼を失う

2026年1月30日(金)神 幸葉(IT Leaders編集部)

Zendeskは2026年1月28日、顧客体験(CX)に関する意識や取り組みを調査した年次のグローバル調査レポート「CXトレンドレポート」を発表した。調査からは、AIで変化する顧客体験のあり方や、マルチモーダル化や透明性を重視し加速する世界の潮流に対してAIへの信頼やデータ活用で足踏みする日本企業の現状が明らかになった。

71%のCXリーダーがAI投資効果を実感

 Zendeskが年次調査レポート「CXトレンドレポート」を発表した。日本を含む世界22カ国の消費者、顧客体験(CX)リーダー、カスタマーサポート担当者への調査結果を基に、CXをめぐる意識や取り組みの最新動向と今後のトレンドを示している。

 調査からは、CX関連の領域で、AI・データ・人に関する分析・理解をリアルタイムに組み合わせる「コンテクスチュアル・インテリジェンス」(注1)が浸透し始めていて、顧客へのサポート/サービスの定義そのものが変わりつつあることが見えてきたという。

 AIに関しては、日本においてもカスタマーサービス向けのAI投資が進んでおり、国内のCXリーダーの71%が「過去12カ月における投資効果を実感している」と回答している。

 では、この領域で、具体的にどういったAI活用が進んでいるのか。説明会では、Zendesk CXアドバイザリーの望月智行氏が、CXのあり方を変えていく5つのトレンドを解説した(図1)。

注1:コンテクスチュアル・インテリジェンス(Contextual Intelligence)とは、環境や状況的な文脈を分析・理解し、その知識に基づいて行動や意思決定を調整する能力。AIやマーケティングの分野においては、単なるデータ分析を超え、顧客のリアルタイムな状況や意図を汲み取り、体験を提供する技術を指す。

図1:CXトレンドレポートから見えた5つのトレンド(出典:Zendesk)
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顧客体験を進化させる「5つのトレンド」

(1)メモリーリッチAIへの投資が真のパーソナライズを実現する鍵

 「メモリーリッチAI(Memory-rich AI)」とは、過去の行動や対応のタイミングといったコンテキスト(文脈)を記憶して、チャネルをまたいでも保持し続けるAIのこと。これによって、継続性と関連性を維持した顧客対応を実現し、パーソナライゼーションの水準を引き上げることが可能になる。

 調査によると、日本の消費者の81%が以前のやり取りに基づいた自分自身に個別最適されたサポートを求め、67%がよりパーソナライズされたサービスを期待している。CXリーダーの85%も、真にパーソナライズされたカスタマージャーニーを構築するうえで、メモリーリッチAIは不可欠だと考えていることが明らかになった(図2)。

図2:メモリーリッチAIがパーソナライズを実現する鍵に(出典:Zendesk)
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(2)AI搭載のセルフサービス型サポートが消費者の即時解決ニーズを拡大

 CXリーダーの85%は、「初回の問い合わせで問題を解決できない企業から顧客は離れていく」と認識しており、消費者の86%も、「商品やサービスを選ぶ際に、迅速な対応と正確な問題解決をしてくれる企業を優先する」と回答している。

 AIの普及を背景に、世界平均74%(日本:71%)の消費者が24時間・年中無休のサポートを期待している。日本と世界平均の全体的な傾向は概ね一致しているものの、サポート担当者への「人と話すことと比べて、迅速な問題解決を重視する消費者はどのくらい多いか」という質問では、日本では1.8倍となり、世界平均の1.3倍を上回った。

 日本では、サポートチーム/担当者に対して、顧客から求められるスピードへのプレッシャーが強いというわけだ。「カスタマーサポートのAIアシスタントなどによって、消費者が自分自身でより調べやすく素早く解決できることを求める声はさらに高まっていくだろう」(望月氏)。

●Next:マルチモーダル、プロンプトベース分析、AIの透明化、AIがCX分野にもたらす変化

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