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ドン・キホーテ運営のPPIH、基幹システム移行時にデジタルアダプションを活用、650店舗に操作支援

「マニュアルを読む時間はない」店舗スタッフに新システムの利用定着を促す

2026年4月10日(金)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを展開する小売大手のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都渋谷区、PPIH)は、基幹システムの大規模移行にあたって、システムの操作支援・定着を図るデジタルアダプションを活用した。Pendo.io JapanのDAP「Pendo」を導入し、移行直後の問い合わせ件数を当初予想の半分に抑えたという。Pendo.io Japanが2026年4月8日に発表した。

 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、国内最大級のディスカウントストアチェーン「ドン・キホーテ」や総合スーパーマーケットチェーン「アピタ」「ピアゴ」などを傘下に持つ小売・流通持株会社である。国内外に700店舗以上を展開している。

 同社は現在、店舗の発注業務や在庫管理を担う基幹システムを第6世代から第7世代に移行するプロジェクトを進めており、2025年10月にプロジェクトの第1フェーズとしてリリースを開始。対象店舗数は650店舗以上と、前回移行時(250店舗)の2倍超に拡大している。

 店舗スタッフを含む約5万人の従業員が基幹システムを利用する。「PPIHは個店主義を掲げており、各店舗のスタッフが商圏や顧客に合わせてみずから考えて発注を行っている。欠品があれば売上機会を逃してしまう。基幹システムは、店舗の業務において最も重要なシステムの1つとなっている」(同社 情報システム部基盤運用課責任者の小林氏)。

「店舗スタッフにPCの前でマニュアルを読む時間はない」

 移行にあたって情報システム部が抱いていた懸念は、社内サポート窓口への問い合わせが増えることだった。前回の移行時、通常なら月間400件程度の問い合わせが2000件前後にまで急増。マニュアルやeラーニングも用意したが、効果は限定的だったという。「接客や品出しで常に現場にいる店舗スタッフにはPCの前でマニュアルを読む時間がなく、eラーニングの受講率も上がらなかった」(小林氏)。

 今回のプロジェクトでは対象店舗数がさらに拡大しており、「最初の週だけでも300~400件の問い合わせが来ると見込んでいた」(同社 情報システム部システムサポート課の飯田氏)という。

図1:「Pendo」の営業業務向け機能の例(出典:Pendo.io Japan)
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 こうした経験・状況を踏まえて情報システム部が着目したのが「問い合わせが来てから対応するのではなく、来る前につぶす」というアプローチだ。エンドユーザーが困る前に必要な情報を適切なタイミングで提示するデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)に着目し、2025年2月にPendo.io JapanのDAP「Pendo」(画面1)を導入した。

問い合わせ件数が半減、問い合わせ内容は高度に

 第1フェーズのリリースに向けて、100個以上のシステム操作ガイドを作成している。まず、ディスカウントストア業態の4商品部門を対象にリリースし、その後もスケジュールに合わせてガイドを追加し続けていった。段階的な対象拡大の結果、2026年1月には同業態の全商品部門が新システムでの発注業務を開始した。

 移行直後の初週の問い合わせ件数は約150~200件にとどまり、当初予想した300~400件の半分に抑えることができた。ガイドの利用状況を確認すると、1人あたり平均2~3回のクリックがあり、確実に活用されていることを確認した。

 問い合わせの内容も変化した。「ガイドを出しているところについては、問い合わせはほとんどない。代わりに、特殊なケースの対応方法など、より高度な問い合わせが増えている」(飯田氏)。

 今後は、2027年までに総合スーパー(GMS)業態の基幹システムも新システムに移行する。ここでもPendoを活用する予定である。「店舗スタッフのITにおける『困った』をなくし、顧客に向き合う時間を増やすことが、間接的に顧客体験の向上につながる」(小林氏)。

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