[技術解説]
メガベンダーのBIスイート製品比較─専門家から一般社員までフルカバー、買収後の製品ラインアップが出揃う
2009年2月12日(木)IT Leaders編集部
2007年、IBMはコグノスを、オラクルはハイペリオンを、そしてSAPはビジネスオブジェクツをそれぞれ買収した。3社とも大手BIベンダーの製品を既存の自社ラインナップに加え、データ統合から分析ツールまでの「フルカバー」をうたっている。
IBM、オラクル、SAPというメガベンダーがBIツール大手を次々に買収した背景には、「即断即決のスピード経営が求められる中、『業績の見える化』や『データ分析による仮説検証サイクル』を実現するBIは、エンタープライズシステムの一環をなす不可欠な構成要素となった」(ジールの山本秀典代表取締役CEO)ことがある。
オラクルとSAPはERPソフトの大御所。IBMにしても売り上げの6割以上をサービスで稼ぐ巨大SIerと見ることができる。理想的な業務システムを描くジグソーパズルにたとえるなら、3社は最後のピースを埋めるためにBIベンダーの買収に走ったようにも見える。
企業の「今」や「未来」を分析するために必要となる機能を、すべて網羅して提供しようというのは各社に共通する考え。スイート製品の構成要素やアークテクチャは、大枠で見れば似通っている。マスターデータ管理の機能、DWHやデータマートにデータをロードする機能、ダッシュボードや分析レポートといったフロントエンドの機能をアプリケーション基盤上に実装。業種・業務別のテンプレートを提供し、特に予測やシミュレーションが重要となる財務分野向けには専門ツールを用意する。さらに、これまでのノウハウを活かし、KPIの設定などのコンサルティングも引き受けるというものだ。
データ統合にも領域を広げる
BIを導入するにあたり、分析対象となるデータの品質を高めることはとても重要な作業だ。そこで各社は、マスターデータ管理やDWHへのデータローディングを効率化する製品を提供している(マスターデータ管理については小誌2008年11月号で特集した)。
IBMでは「InfoSphere MDM Server」「InfoSphere Information Server」がこれに相当する(図4-1)。オラクルは「Data Integrator」を擁する。これはスイート製品「Business Intelligence Suite Enterprise Edition Plus(BIEE Plus)」の構成要素の1つだ。SAPは「Master Data Services」「Data Integration and Data Quality Management」と呼ぶカテゴリの中でツール群を提供している。
ただし、これらの製品を導入したからといって、すぐにマスターデータ管理を自動化できるわけではない。どのシステムのどのデータを参照したいかを明確にするのに加え、それぞれの粒度もチェックして各種の設定を施す必要がある。DWHにデータを格納するタイミングも日次の夜間バッチ処理でいいのか、1時間ごとの更新が必要なのかなど企業や業務によって事情が異なる。自社のニーズに合わせて吟味し、場合によってはベンダーをはじめ社外の専門家に可否を確認するのが賢明だ。
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