日本ヒューレット・パッカードは2009年3月5日、エントリーレベルの事業継続・災害対策ソリューションを提供開始することを発表した。また、このソリューション提供を可能にする新機能「低帯域レプリケーションライセンス」と仮想テープライブラリの新製品「HP StorageWorks VLS9000 7.5TB System」および「HP StorageWorks VLS9000 10TB System」「HP StorageWorks VLS9000 30TB Capacity Module」および「HP StorageWorks VLS9000 40TB Capacity Module」「HP StorageWorks D2D4112 Backup System」を発売することも発表した。
同社は、バックアップの重複排除を利用した低帯域レプリケーション(複製)機能を実現し、比較的安価な低帯域のネットワークを利用した遠隔データバックアップを可能にした。また、この機能を使った事業継続・災害対策ソリューションのコンサルティングや構築も合わせて提案。さらに、このソリューション実現に最適な仮想テープライブラリ新製品も発売する。今回の取り組みにより、エントリーレベルからハイエンドまで、幅広い事業継続・災害対策ソリューションの提供が可能になる。
■事業継続・災害対策ソリューション
企業の事業継続性向上のためには、遠隔データバックアップによる業務に必要なデータの保護が基本となる。次のステップとして、データの鮮度および復旧時点を向上させるリアルタイムデータコピーの導入が、最終的には全社規模で可用性の高い事業継続・災害対策ソリューションの導入が推奨されり。新機能「低帯域レプリケーションライセンス」により、最終的な事業継続への第1ステップとなるエントリーレベルでの対策が可能になる。
従来のハイエンドのソリューションに加え、エントリーレベルの事業継続・災害対策ソリューションを揃えることで、お客様の事業規模やビジネスを問わず、インフラストラクチャとなる機器・ソフトウェアからコンサルティング、構築、運用まで最適なロードマップに基づく提案を行うことが可能になる。
■低帯域遠隔データバックアップを実現する「低帯域レプリケーションライセンス」
従来、遠隔レプリケーションや遠隔データバックアップを行うためには高価な広帯域の通信回線を用意する必要があった。同社は、2008年6月に発表したVLS/D2DのDeduplication(重複排除)機能によりデータの格納領域を約50分の1に抑えることを可能とし、これを活用する形で低帯域レプリケーション機能を実現した。
同機能は、バックアップシステム側データの重複排除を行った差分データを、低帯域IP WANネットワーク経由で遠隔サイトに転送し、レプリケーションを実行する。低帯域レプリケーション機能は重複排除機能と同様に「HP StorageWorks VLS6000」「HP StorageWorks VLS9000」「HP StorageWorks VLS12000」「HP StorageWorks D2D2500」「HP StorageWorks D2D4000」シリーズすべてに提供可能
■仮想テープライブラリの製品ラインアップを拡充
遠隔バックアップ向け新機能に加えて、仮想テープライブラリの製品ラインアップも拡充された。テープよりも運用の利便性が高いディスクを利用した仮想テープライブラリでは、より簡易かつ頻繁にバックアップをとることができ、テープの場合に比べてバックアップデータが障害発生時点に近いものになる。このため、障害復旧の作業量を軽減し復旧までの時間を短縮することが可能。また、ディスク間の遠隔バックアップを利用することで、物理的移動に伴うリスクを排除し、運用負荷を軽減できる。
■仮想テープライブラリ新製品
製品名 | 価格(税別) | 販売開始 |
HP StorageWorks VLS9000 |
1,134万円~ | 2009年 3月5日 |
HP StorageWorks VLS9000 30TB Capacity Moduleおよび 40TB Capacity Module |
2,205万円 | |
HP StorageWorks D2D4112 Backup System | 483万円 |
■低帯域レプリケーションライセンス
製品名 | 価格(税別) | 販売開始 |
VLS Replication License | 336万円 | 2009年 3月5日 |
D2D4112 Backup System Replication License | 168万円 |