NECは2009年4月10日、OSSミドルウェアに対するサポートサービスを強化すると発表した。OSS(オープン・ソース・ソフトウェア)の基幹業務での利用拡大を図るため。
OSSミドルウェアに対するサポートサービスの強化は、OSSの統合運用管理ソフト「Hinemos(ヒネモス)」を適用したシステム構築・保守サポートサービスの開始と、SUSE Linux Enterprise Server(スーゼ・リナックス・エンタープライズ・サーバ)に対応したOSSミドルウェアのサポートサービスの開始の2点。
NECは、このサポートサービス強化により、今後2年間で2億円のOSSミドルウェア製品の販売を見込む。
OSSミドルウェアに対するサポートサービスの強化の概要は以下のとおり。
- 統合運用管理ソフト「Hinemos」のサポート開始
新規にサポートを開始する「Hinemos」は、NTTデータが開発し、OSSとして公開している統合運用管理ソフト。一括制御、監視管理、性能管理、ジョブ管理、スケジュール管理などの機能を有していて、複数のコンピュータを単一のコンピュータのように運用することが可能。今回のサービス提供開始にあたり、NECはNTTデータと Hinemosパートナープログラム契約を締結し、ソリューションパートナーとなっている。
NECが提供開始するサービスは、「システム構築サービス」と「保守サポートサービス」の2種。
構築サービスでは、Hinemos導入の際の事前検証、システム設計、システムチューニング、システム構築・評価を提供する。価格は個別見積もり。
保守サポートサービスでは、Hinemosの運用に関する問い合わせ対応を行う「基本サポート」と問い合わせ対応・障害対応を行う「拡張サポート」を提供する。価格は基本サポートが12万円(税別)~。 - SUSE Linux対応のOSSミドルウェアサポートサービスを開始
ノベルが提供しているSUSE Linux Enterprise Server(SLES)を適用したシステムの拡大を図るため、SLESに対応したOSSミドルウェアのサポートサービスを開始する。サポートサービスを提供するOSSミドルウェアは、構築サービスで22種類、保守サポートサービスで16種類あり、具体的には、新規にサポートを開始したHinemosを含め、Apache、Tomcat、PostgreSQL、Samba、OpenLDAPなど基幹業務で利用が進むOSSミドルウェア。
Hinemosについては、エージェント機能およびマネージャ機能のSLES対応をNECが独自に開発し提供する予定。提供予定時期は、2009年7月を予定する。
NECは2009年2月から、企業システム向けにSLESの販売を行っている。今回サポートサービス強化により、SLESとOSSミドルを組み合わせたシステム向けに、構築から保守までのトータルサービスを提供できることになる。