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ヴイエムウェア、PCoIPを実装したデスクトップ仮想化ソフト新版「VMware View 4」

2009年11月9日(月)IT Leaders編集部

ヴイエムウェアは2009年11月9日、デスクトップ仮想化ソフトの新版「VMware View 4」を発表した。新版では、画面情報端末プロトコルの新たな選択肢として、画質よりもフレーム描画数に重点を置くことで体感上の操作性やレスポンスを高めた新プロトコル「PCoIP」(PC-over-IP)を実装した。11月20日に出荷する。

動画解像度を犠牲に体感性能を向上

 新版の最大の特徴は、従来から利用可能だったWindows標準のRDP(Remote Desktop Protocol)に加えて、新たにカナダのTeradiciが設計した画面情報端末プロトコル「PC-over-IP」(PCoIP)を実装した点である。専用の接続クライアント・ソフト(Windows XP/Vista/7上で稼働)から仮想デスクトップにアクセスする際に、RDPとPCoIPのいずれかを指定できる。

 PCoIPの特徴は、ユーザーの体感上の画面操作性やレスポンスを高めることに注力している点である。具体的には、使用しているネットワークの帯域や遅延に応じて動画の解像度を落とすなど、コンテンツの種類ごとに優先度や品質を使い分ける。例えば、「テキスト画像の解像度を高く維持するために、動画の解像度を落とす」「動画の1秒あたりのフレーム描画数を高く維持するために、解像度を落とす」といった具合だ。

 VMware View 4の市場予測価格は、同時接続10ユーザーの最小構成で、下位版「Enterprise Edition」が18万円程度から。上位版「Premier Edition」が31万円程度から。接続ソフトの稼働OSはWindows XP/Vista/7。なお、シンクライアント端末を開発する米Wyse Technologyが、PCoIPプロトコルをチップ化して搭載した端末を発表済みであるという。

各種仮想化を包含したVDIソフト

 なお、VMware Viewとは、デスクトップ仮想化ソフトである。仮想マシン・ソフトとデスクトップ・ブローカ機能を中核としており、データセンター側にある仮想マシン型のクライアントPCを、RDPやPCoIPなどの画面情報端末プロトコル経由で遠隔操作できるようにする。こうした、個々の仮想PCとユーザーとをヒモ付けて管理する機能は一般にVDI(Virtual Desktop Infrastructure)と呼ばれており、VMware Viewの旧製品名もVMware VDIだった。

 機能上位版のPremier Editionでは、VDIの基本機能に加えて以下の3つの機能を提供する。

  1. 「オフライン・デスクトップ」は、仮想マシン・イメージをチェックイン/アウトによって移動できるようにする機能である。普段はデータ・センター側で動作させているVMware仮想マシン・イメージをWindowsクライアント上に移動させ、手元のハイパーバイザ上で稼働させることができる。
  2. 「View Composer」は、仮想マシン・イメージを共有/再利用する、プロビジョニング機能である。ストレージ領域の節減、OSへのパッチ更新の高速な反映、システム領域(Cドライブ)とユーザー領域(Dドライブ)の分割管理、などを実現する。
  3. 「ThinApp」は、ポータブル化(クライアント側アプリケーション仮想化)機能である。本来はOSへのインストールが必要なアプリケーションをOSから切り離し、ポータブル化する。DLLをコンフリクトさせることなく異バージョンのアプリケーションを同時に使う場面や、ネットワーク経由のアプリケーション配布などに適する。
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VMware / デスクトップ仮想化 / VDI

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