IT資源の有効活用やコスト効果、柔軟性・拡張性の高さを謳うクラウドコンピューティングが話題になる裏で、それらに真剣に取り組もうとするユーザー企業を中心に足元のシステム基盤を見直そうとする機運が急速に高まっている。
市場
2000年度の4分の1に縮小
レガシーマイグレーションの動向を見る前に、国内のメインフレーム市場の現状を押さえておきたい。図1-1は、電子情報技術産業協会(JEITA)が毎年公表している「コンピュータおよび関連装置出荷統計」を基に作成した、メインフレーム市場の推移である。
市場規模は大幅な減少傾向が続いており、2008年度は約1197億円になった。5000億円近くあった2000年度に比べ、4分の1以下の水準にまで縮小した。
本誌の読者なら、この事実に驚くことはないだろう。1990年代のダウンサイジングと2000年前後のY2K対応に伴うIT資産の見直しという2つの時期を経て、メインフレームを撤廃する動きを実感してきたに違いないからだ。
機運
2009年から一気に高まる
ダウンサイジングが、メインフレームからオープン系へのレガシーマイグレーションの第1次ブームだとすれば、Y2K対応は第2次ブーム。その後、仮想化技術やソーシャルメディア、クラウドコンピューティングへの注目に押され、レガシーマイグレーションが表立って話題に上ることは減った。
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