メインフレーム環境をオープン系システム上で再現し、既存のシステムをそのまま稼働させるミドルウェアや、オープン環境向けの運用管理製品を利用可能にするツールが現れてきた。充実するマイグレーション用ツールを詳説する。
メインフレーム資産を一気にオープン系にマイグレーションできれば、それに越したことはない。だが、ユーザー企業に今なお残るメインフレーム資産には、置き去りになるだけの理由が多少なりとも存在する。機能が継ぎはぎだらけなうえ、システム設計などのドキュメントはおろか、ソースコードさえ残っていないケースも少なくない。
メインフレーム環境を独自技術で再現
“事情” を抱えるメインフレーム資産を、各種リスクを抑えながら、オープン系にいかに移行するか。オープン環境で稼働するCOBOL「Micro Focus COBOL」(マイクロフォーカス)は、その受け皿の1つとなる。一方、支援ツールの技術も充実。メインフレーム環境をそのままオープン系に移行できるミドルウェアは着実に進化している。
代表例の1つが、日本ティーマックスソフトが販売する「OpenFrame」(図5-1)。専用のコンパイラを使ってCOBOLやJCLのソースコードを独自COBOLに変換し、オンライン処理やバッチ処理、TPモニター、データベース管理などの機能を備える自社開発のミドルウェア環境で稼働させる製品だ。富士通製OSのXSPやMSP、IBM製のOS/390など、移行元の対象をある程度絞り込むことで、COBOLやJCLを自動でオープン環境に移行する。
OpenFrameはVSAMファイルからリレーショナルデータベースへの変換機能のほかメインフレームで一般的なコード体系であるEBCDICのデータを、オープン系で主流のASCIIに自動変換する機能も持つ。
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