EMCジャパンは2010年3月31日、同社のNASストレージ「Celerra」の機能拡張用プラグインの新製品を提供開始した。ヴイエムウェアの仮想化ソフト「vSphere」と連携し、仮想環境の管理コンソールからストレージの操作を可能にする。Celarraユーザー向けに無料で提供する。
新たに提供するのは、「VMware環境向けEMC Celerraプラグイン」。vSphereの管理ツールである「VMware vCenter管理コンソール」から、仮想マシン用のストレージ容量変更や重複排除といった操作を可能にするものだ。Celerra側で専用のストレージプールの設定をすることが前提となる。通常は、仮想マシンの配置や容量変更のたびにCelerra側の管理コンソールでリソースを割り当て、改めてvSphere側で仮想マシンの設定をする必要があった。
vSphereが扱う仮想ハードウェアイメージであるVMDKファイルを直接操作する。これにより、ストレージ全体ではなく仮想マシン単位で圧縮や重複排除ができる。これを利用した代表的な機能の1つが「スパースリコール」機能だ。圧縮済みのVMDKファイルに定義した仮想マシンにコマンドを入力すると、必要な部分のみ解凍して実行する。仮想マシンへの書き込みは、一時ファイルとして一端保存し、一定の間隔で圧縮して元のVMDKファイルと結合する。
VMwareのサーバー仮想化基盤「VMware ESX」が稼働する物理サーバーとCelerraを、接続プロトコルであるNSF(Network File System)で接続した構成を想定している。Celerraで利用可能なiSCSIやFCといった他のプロトコルでの利用も、順次可能にしていく。マイクロソフトの仮想化技術であるHyper-V用のプラグインも年内に市場投入する。
(修正2010年3月31日21:09)当初「接続プロトコルであるESF(Network File System)」としていたのは、「接続プロトコルであるNSF(Network File System)」の誤りでした。本記事では修正済みです。