[編集部の生産性倍増奮闘記]

「もの忘れ常習者の神アプリ」の巻:第29回

2011年2月9日(水)川上 潤司(IT Leaders編集部)

もの忘れが激しい昨今。打ち合わせが重なると、大事なことに限って思い出せないことも多々あり。こんな状況を打破しようと、知人お勧めのAudioNoteというアプリをiPadで使い始めたのでありました。

日々の業務の中で、「ちょっとした打ち合わせ」って多くないですか? 前々から予定が組まれた「会議」ではなく、関係者が空き時間を見つけてパパっと集まり、報告・連絡・相談などを手短にこなすミーティングの類です。ちなみに「打ち合わせ」って、元々は雅楽の世界で演奏が巧くいくようにリズム合わせしたことに由来があるのだとか。参照:語源由来辞典

それはさておき、打ち合わせでは実務上の重要事項が決まることが多々あります。こう書くと仰々しいですが、例えば調べごと、資料の提出、取引先への連絡…誰がいつまでに何をしなければならないかが指示されたりするわけです。そんな決定事項をいちいち文書にまとめてメンバーに同報メールしてくれる殊勝な人などいないのが通例で、自分でしっかり記憶(記録)して行動に移さなければなりません。

筆者の場合も、特集チームと企画案を練ったり、制作上の進行スケジュールを決めたり、セミナーの計画を検討したりと、多様な打ち合わせが日々発生します。

週に2,3回程度の頻度であれば何とでもなるのですが、時には1日に数件の打ち合わせという日々が連続することも。こうなると古びた我が頭脳はバッファリングとフロー制御の同期が破綻し、やるべきことの整理がつかなくなってしまう。その場では、ホワイトボードや裏紙などにメモを取るのですが、いつしかその所在も忘却の彼方。

例えば、編集長に「○○という注目製品の担当者に連絡取るべし」と言われても、その「○○」が何だったか思い起こせない。どうせなら、指示されたことすらスカッと忘れられれば楽なのに…。

大雑把な性格からか、メモ魔にはなりきれない。何か手軽な方策はないものか…。こんな話をしていたら、友人がiPad/iPhone/Mac向けの「AudioNote」(開発はLuminant Software)というアプリを紹介してくれました。試しにと思い、先日からiPadで使い始めたのですが、これがなかなか良い感じ。日に日に気に入って、iPadの中では使用頻度がきわめて高いアプリとなっています。まだ機能の隅々までは検証していない段階ですが、その概要を紹介したいと思います。


画面1:AudioNoteの画面例

メモ帳+ボイスレコーダー。AudioNoteの機能を簡潔に表現するならこうなるでしょうか。アプリを起動して新規ノートを作成すると、リーガルパッドを模したようなメモ帳が画面に表示されます。

その左上に録音ボタンが配置されており、ここを押すと録音がスタート。打ち合わせ中にメンバーが話した内容がそのまま音声データとして記録されていきます(iPadには内蔵マイクがありますが、私は外付けのMityMicを愛用中)。ボイスレコーダーと並行して、メモ帳としても機能するので、打ち合わせの中で気に留めておきたいことを、つらつらと記入していきます。

ソフトキーボード(外付けキーボードも可)でテキスト入力もできるし、モードを切り替えれば手書きメモにも対応します。この時、1つのメモ(改行で区切られた1つのパラグラフ/一連の手書きメモ)を記入する度に、その左横に時間(録音開始時を基準としたタイムスタンプ)が自動的に記録されていくのが特徴。打ち合わせが終わったら、再度、ボタンを押して録音をストップさせます。

さて、このアプリの使い勝手の良さは、打ち合わせの内容を後から確認する際に際立ちます。画面右上の「Playback」ボタンを押すと、再生モードに切り替わり、再生ボタンを押すと録音内容を冒頭から聞き返すことが可能。まぁ、これは順当な機能といったところでしょう。

気が利いているのは、自分がメモした内容のどれかをタップすると、そのメモを記入した時点から再生してくれるのです。つまり、自分のメモが録音再生のインデックスとして自動認識されているということ。スライダーボタンによる微調整と組み合わせれば、聞き返したい個所をピンポイントで探し出して、確認することが簡単にできてしまいます。

通常は、自分で書いたメモを見れば、おおよそのことは思い出せる。うろ覚えで自信が持てないところだけ録音内容を聞き返して確認するといった用途にピッタリ。ちょっとしたことなのですが、実際に使うとこれがとても便利なのです。詳細は割愛しますが、録音やメモのデータはPCと連動させることも可能。iPadにため込んだ「シンプル議事録」を定期的にPCに移して保存することができます。

ちょっと慣れてくると、メモの記入時にも工夫をしたくなります。例えば、自分がやるべきことのメモには行頭に■印を入れるといった習慣をつけておけば、目や耳で後から確認する際の効率がぐっと上がります。たくさんのメモから■印の個所を洗い出し、ToDoアプリに漏れなく転機して管理…。とまで行けば1つの理想なのですが、このあたりはまだ試行錯誤の連続。また回を改めて報告したいと思います。

ちょっとした打ち合わせを例として取り上げましたが、AudioNoteの活用範囲は他にもいろいろありそう。セミナーの聴講、日々の取材や発表会、人によっては英会話のレッスンなんていうのもあるかもしれません(もちろん録音が許可されることが条件ですが)。

また、まだ私は試していませんが、似たようなコンセプトを持つアプリにSoundNoteというのがあるとのことです。メモ帳とボイスレコーダーがシンクロする便利アプリ。しばらくはヘビーユースが続きそうです。

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