「ビジュアル思考ツール」の1つ、MindManagerというパソコン向けソフトを試用する機会を得ました。まだ十分に使いこなせてはいませんが、その概要を紹介しようと思います。
仕事でお世話になっている方からの紹介で、「MindManager」というソフトウェアを試用する機会に恵まれました。本コラムのタイトルにもある、“生産性倍増”に役立つんじゃないですか?という有り難きアドバイス。締切ラッシュのタイミングでなかなか使う時間的余裕がなかった(今日の時点でも十分には使えてませんが…)のですが、少しずつその全容がつかめてきました。今回は、その試用感をレポートしてみようと思います。
MindManagerは、マインドジェット(米カリフォルニア州)が開発・提供するパソコン(PC/Mac)用ソフトウェア。「情報を視覚的にマッピングすることで知的生産性を高める」ことに主眼を置いて開発されています。日本向けにローカライズして市場参入したのは2006年のことで、Windows版については今年(2010年)10月にリリースされた「MindManager 9 for Windows」が最新版となります。
単刀直入に表現するなら、図解思考法として有名な「マインドマップ」をパソコン上で実践できるソフトウェアです。シートの中央にテーマとなるキーワードを書き記し、それに関連する幾つもの項目を放射状に線でつなぎながら展開。過不足に思いを巡らせながら全体像を把握し、頭の中の整理や発想の促進につなげる過程を支援します。
もっとも、MindManagerはマインドマップ手法にのみ焦点を当てているのではなく、その“ビジュアル思考”を基軸に、プロジェクトチームなど企業組織で利用することを想定した機能が数多く備わっているのが特徴です。同社米国サイトの顧客リストに3M、IBM、コカ・コーラ、ジョンソン&ジョンソン、シーメンスなどのグローバル企業が名を連ねているのも、その表れと言えるでしょう。
画面1:MindManagerの画面例。中央に配置したトピックから関連項目を周囲に広げていく
前置きはこのぐらいとして、MindManagerの概要を以下に紹介します。ソフトを起動すると、中央に「中心トピック」が1つ配置された状態で新規マップが作成されます。その中心トピックを、自分が考えを巡らしたいテーマ(あるいは情報を整理する対象など)に変更。ここを起点にして、想起されるサブテーマを周辺に広げていきます。
こうした操作は、マニュアルを読まずとも直感的に理解できます。キーワード同士を線でつなげて同列/主従といった関係を明示したり、似通ったキーワードをくくってグルーピングしたりしながら、全体像を自分が納得する構造に仕上げていくわけです。日頃、自分が頭の中でぼんやりと整理できているつもりでも、いざ書き出してみると抜け落ちている要素に気づいたり、見直すべき方向性が思い当たったりと、色々と再発見があるもの。関心事の対象を「見える化して」「全体を俯瞰し」「構造を最適化する」という一連の作業の有効性がここにあります。
ノートとペンでも同様のアプローチは可能ですが、パソコン上の作業なら思う存分試行錯誤を繰り返せるのが利点。まずはアイデアを書き出すことを優先して、後から構造化に集中するといった作業も自由に進められます。
トピック展開の過程でWord/Excelといったオフィス文書をリンクさせたり、Webページを参照させたりといった多彩なスタイルでマップを作成できるのもパソコンソフトならではの機能。乱筆の自分としては、字のクセなどに依らず、第三者にも見やすく“清書”された状態でマップが仕上がることも意外に重要なポイントです。
MindManagerはマイクロソフトOfficeとの連携を重視しており、電子メール、仕事、連絡先、ノート、予定といった情報と関連づけて動的に更新させられるのも特徴。ここでは詳細は省きますが、プロジェクト管理など自分の担当業務の“ダッシュボード”として機能するマップを作るといった応用が可能です。
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