さまざまな機器が発信する情報を効果的に活用するには、 大量データを一元的に蓄積/分析する基盤が重要な役割を担う。 そこでPart4は、主要ベンダーが提供するM2M向けのプラットフォームと、通信サービスをまとめた。折川 忠弘 (編集部)
M2Mにおいては、さまざまな機器から膨大なデータが集まってくる。この先、センサーや通信モジュールがさらに多種多様なモノに実装されるようになれば、巷間言われる“ビッグデータ”を生み出す筆頭領域の1つにもなり得るだろう。
膨大なデータは宝の山に違いないが、真の価値を見つけ出すには、収集・管理・分析といった処理を担う情報基盤が必要となる。このニーズの高まりに呼応して、2011年あたりからM2Mを想定したプラットフォームを各ベンダーが提供し始めた。
M2Mプラットフォームを構成する要素には何があるのか。ルートレック・ネットワークスの「ZeRo」を例に概要を見ていこう(図4-1)。
基本的な要素は大きく3つある。1つは「装置」(本稿では、センサーや通信機能を備えた一塊のモジュールを指す)が発信するデータを受け取るためのインタフェース。現状、業界や業種によって通信プロトコルは一様ではない。代表的なインタフェースは備えつつ、要件によって個別にカスタマイズするものが大半である。
2つめはデータを蓄積・管理する機構である。装置からのデータを収集し、これらを目的に応じて検索/分析できるようにする。遠隔から装置を操作する制御機能も備える。
3つめは、必要なデータをアプリケーションに提供するためのAPIである。HTTPやSOAPといった一般的なプロトコルなどを用いることで、データを容易に提供できるようにする。ただし、アプリケーションによっては個別に作り込まなければならないケースもある。
これら各要素をまとめて、クラウド経由で提供するプラットフォームが大半だ。中には農業や医療向けなどの用途を限定したアプリケーションをセットにするケースもあるが、情報活用基盤だけ用意してサードパーティのアプリケーションを接続する、もしくはアプリケーションの開発環境を提供するプラットフォームも少なくない。
主要なM2Mプラットフォームを表4-1にまとめた。以下に特徴的なものを見ていこう。
M2M / 製造 / エッジコンピューティング
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