月刊や隔週刊のIT専門誌をいくつか定期購読しているし、新聞も毎日3紙に目を通しているんですよ。仕事もちょっとしたピークを迎えており、読書に時間を割けない日々が続いてフラストレーションが溜まっています。
月刊や隔週刊のIT専門誌をいくつか定期購読しているし、新聞も毎日3紙に目を通しているんですよ。仕事もちょっとしたピークを迎えており、読書に時間を割けない日々が続いてフラストレーションが溜まっています。
元々、本は好きな方で、ジャンルで言えば、推理小説と歴史小説に手が伸びることが多いかな。推理小説は、小学生の頃に子供向けのシリーズ本、例えばルパンとかホームズ、ポワロなどが登場する作品を手当たり次第に読んではまったのがきっかけですね。
社会人になってから夢中になったのは梓林太郎の著作。私、大学時代にワンダーフォーゲル部に所属し、あちこちの山奥に足しげく通っていたんですよ。氏は「山岳推理小説の第一人者」と形容されるように、作品の舞台の多くは山。ミステリアスな展開もさることながら、風景が脳裏に浮かぶこともあって引き込まれました。
歴史小説で言えば、吉川英治なんかが好きですね。何がきっかけだったか思い出せないのですが、最初に読んだのは中学生の時です。登場人物の迫力だとか、人を動かす力だとかに感銘を受け、このジャンルの本を読みあさる契機になりました。
このコラムの取材を受けることになったので、ビジネス書についても、よく読み返すものは何かという基準で本棚から探し出してきました。
まずご紹介するのが佐々木常夫氏の「そうか、君は課長になったのか。」と、恒吉彩矢子氏の「『なかなか前向きになれない』と思ったときに読む本」です。この2冊は、私が数年前に課長になった時に、妻と息子たちがプレゼントしてくれました。
実はそのちょっと前に、私は部下と上司の間に立たされて精神的にかなり参っていた期間があったんです。こんな状態で課長になってやっていけるかなという不安も少なからずありました。それを知っていたかどうかは分かりませんが、タイミングよく手渡されて寝食忘れるように読んだことを今でも鮮明に覚えています。
前者の「そうか…」は読者に向けた37通の手紙というスタイルでリーダーシップのあり方を提示。後者の「なかなか…」は、もっと肩の力を抜いたらどうですかというセラピスト的アプローチで諭してくれる内容になっています。“頑張ろう”と“気軽に行こう”、対極的な2冊に思えますが、帰着するところは一緒。1人で何もかも背負うのではなく、チームとしての組織力の大事さに気付かせてくれます。共に、今でも時々手にとりますが、いつも緊張を解きほぐしてくれる良書です。
「3分でわかる ロジカル・シンキングの基本」は、私の部署に配属となる人に必ず薦めている1冊。タイトル通り、論理的に考え、それをうまく第三者に伝える方法論を分かりやすく解説しています。先の話とも重なりますが、組織で仕事するには「思い」を的確に伝えるコミュニケーション能力が欠かせません。自分の考えを頭の中で組み立てて順序立てて話す習慣をいかに身に付けるか。それを考え直してみる上で、とても役立ちますよ。
「なかなか前向きになれない」
と思ったときに読む本
恒吉彩矢子著
ISBN: 978-4806137825
中経出版
1365円
3分でわかる
ロジカル・シンキングの基本
大石哲之著
ISBN: 978-4534044082
日本実業出版社
1470円
- 高橋 邦夫 氏
- 豊島区役所 政策経営部 情報管理課長
- 民間企業に2年間勤務した後、1989年に豊島区役所に。1996年に情報管理課に異動し、西暦2000年問題や庁内LAN構築のプロジェクトリーダーなどを務める。情報セキュリティ担当係長、情報基盤担当係長を歴任し、2009年より現職
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