トステムやINAXなど5社が合併し、2011年4月に誕生した建材・住宅設備最大手のLIXIL(リクシル)。会計システムはERPパッケージやメインフレーム上のスクラッチ開発版が混在し、グループウェアも3種類あるなど、情報システムの整理、統合は待ったなしだった。新会社発足の期日が迫る中、難問だらけのシステム統合にどう取り組んだのか。責任者に話を聞いた。(聞き手は本誌編集長・田口 潤 写真:陶山 勉)

- 藤原 浩 氏
- LIXILインフォメーションシステムズ プロジェクト開発部 部長 兼 海外開発グループ グループリーダー
- 1980年4月、トステムに入社。ホストコンピュータの導入やアプリケーションの運用、ネットワークの構築などに従事する。2000年以降はWEB開発室室長や営業システム開発部部長として、システム開発を率いてきた。2011年9月から現職。LIXILのIT推進本部海外企画リーダーと、LIXILグローバルカンパニー海外IT推進部長を兼任し、グループのIT化をけん引している
─トステムやINAXなど5社が統合してLIXILが発足したのは2011年4月。それから1年後の2012年4月に基幹系や情報系のシステムの統合プロジェクトが大よそ決着したと聞いています。規模が大きな5社のシステムを1つにするのは、さぞかし大変だったでしょう。
藤原:それはもう大変でした(笑)。
─5社の統合プロジェクトとなるとスコープが広いので、何からうかがうべきか迷ってしまいます。まずは全体像をつかむうえで大よそのスケジュールから教えてください。
藤原:システム統合の話が最初に出たのは2010年春のことですが、本当に慌て始めたのは2010年7月頃からです。
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