米ガートナーが、2013年度における「戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10」を発表した。なかなか興味深いので、長くなるが紹介しておきたい。
- モバイルデバイスの戦い
- モバイルアプリ&HTML
- パーソナルクラウド
- インターネット・オブ・シングス(IOT)
- ハイブリッドIT&クラウドコンピューティング
- 戦略的ビッグデータ
- アクショナブルなアナリティックス
- メインストリーム・インメモリー・コンピューティング
- 統合されたエコシステム
- 企業向けアプリケーションストア
上位1、2を占めたのがモバイル関連だ。今なお企業ITからは縁遠い感もあるが、米ガートナーのアナリストは「モバイルは企業ITにとって決定的に重要、かつ破壊的な影響を与える」という。「今後5年の間に、すべてのアプリケーションがモバイルをベースに変化する。90年代に起きたCUIからGUIへのシフトを上回る変化が起きるだろう。一方で既存のシステムをなくせるわけではないので、IT部門はヘテロジニアスな環境に対応せざるを得ない。ここはIT部門にとって大きなチャレンジになる」。
パーソナルクラウドは、そのモバイルとクラウドの延長線上にあるもの。本号製品サーベイでマイクロソフトの次期Officeを取り上げた。こうした製品も相まって、「ユーザーのPC(パーソナルコンピューティング)環境は、新しいPC(パーソナルクラウド)環境に置き換えられる」。これをリードするのもIT部門の役割だ。
4番目の「IOT」はあらゆるモノにITが組み込まれることを指す。7番目の「アクショナブルなアナリティックス」は、IOTやモバイルデバイスから情報を得てモノや人の動きをリアルタイムで分析し、必要なアクションを起こすことだ。そして8番目の「メインストリーム・インメモリー・コンピューティング」は、それを実行可能にするIT基盤である。
これらがトップ10に入ったことの意味は何か?「日々、IOTやモバイルから生み出される膨大なデータを即座に分析し、最適なアクションを起こすことが、今日の企業ITに求められる。業務システムの次の方向でもある」。そのような取り組みが進むのが2013年だという。実現はにはいくつかの壁がある。「IOTに対応するにはIT部門と事業部門の協力が欠かせないし、業務系システムの変更、刷新が必要になるだろう」。
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