[加藤恭子のマーケティング志向で行こう!]

飲み会の幹事役とマーケティングスキルの関係

2013年5月14日(火)加藤 恭子(ビーコミ 代表取締役)

今年も春がやってきました。年度替わりは何かと「飲み会」が多い時期。送別会や歓迎会、そして桜が満開となれば、花見もまた魅力的です。こうした宴席が楽しく印象に残るものになるかどうかは、「幹事」の腕次第。実はこの“仕切り”の巧拙って、マーケティングのセンスの善し悪しにも共通すると日頃から思っています。

プロジェクト管理にも通用する

 気を付けるべきポイントをつらつらと書きましたが、これらにスムーズに対処できるスキルを「幹事力」と呼びたいと思います。この幹事力、すなわち「段取り」や「調整」をうまくこなす能力は、企業のマーケティング部門においてとても必要なのです。何故かって、マーケティング担当者は、いろいろな物事の「運営責任者」になることが多いですからね。

 自社の製品やサービスを周知するためにセミナーを開催するという仕事が典型例です。参加者の属性や規模、交通の便を考慮した会場選び。多くの人の興味を引くプログラムの企画。当日は、スピーカーに残り時間を提示するなどして進行が遅れないようにする仕切りも重要な任務でしょう。ブレイクタイムにコーヒーを出す場合、量やタイミングを考えて業者と話を詰めておくことが欠かせません。ノベルティを用意するなら、来場者が気に入ってくれそうなものという視点が大切ですね。全体のコスト管理を含め、様々な段取りや調整がうまくいって始めてイベントが成功裏に終わるのです。

 多岐にわたる諸条件にキメ細かく気配りできること、タイムスケジュールを勘案して遅延要件をつぶせること、誰が“主賓”なのかの軸をぶらさないこと、常にコスト把握を怠らず予算管理に長けていること、関係者との意思疎通や協力依頼が巧みなこと…。このあたりに全てに通底する重要なポイントがありそうです。

 そう考えると、システム開発におけるプロジェクト管理にも必要不可欠なスキルではありませんか? この春に新入社員を迎えた読者の方々も多いことでしょう。彼らたち彼女たちは、どれほどのポテンシャルを備えているのか。

 それを推し測る1つの材料として、「飲み会」の幹事を任せてみるのも身近な取り組みかもしれません。あ、その前にきちんと新人歓迎会をしなければなりませんね。自身のスキルアップの一環として、時には幹事役に一肌脱いでみてはいかがでしょうか。

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