[加藤恭子のマーケティング志向で行こう!]

飲み会の幹事役とマーケティングスキルの関係

2013年5月14日(火)加藤 恭子(ビーコミ 代表取締役)

今年も春がやってきました。年度替わりは何かと「飲み会」が多い時期。送別会や歓迎会、そして桜が満開となれば、花見もまた魅力的です。こうした宴席が楽しく印象に残るものになるかどうかは、「幹事」の腕次第。実はこの“仕切り”の巧拙って、マーケティングのセンスの善し悪しにも共通すると日頃から思っています。

 ある飲み会の幹事を任されたとしましょう。送別会か歓迎会か、はたまた花見なのか。その目的によって段取りは大きく変わるものです。例えば送別会の場合、新天地に向かう人のそれまでの活躍をねぎらい前途を祝うこと、つまり“はなむけ”のイベントであることを忘れてはなりません。主賓が下戸なのに参加者ばかりが酒を飲んで騒ぐのは考えものですね。その人の食事の好みなどを配慮することも欠かせません。そもそも、誰に声をかけるかといったことでも場の雰囲気は変わります。

 会場選びもポイントです。リーズナブルなお店にしたら騒々しい学生の新歓コンパと鉢合わせ。高級レストランを貸し切ったら場違いな空気に気圧される…。どちらも和やかムードにはほど遠い展開が待ってます。心地よい空間でありながら参加費も納得できる、そんな絶妙なバランスが必要です。お金がらみで言えば、どんな配分で徴収するかも考えどころですね。

 進行上のイベントや時間配分も要注意。冒頭の乾杯の挨拶が延々と続き、目の前の飲み物になかなかたどりつかないのは辛いものです。余興でいえば、誰も知らない歌を延々と熱唱したり、楽器を得意げに演奏し続けたりするのは、本人はともかく周囲は意外としらけるケースが少なくありません。飽きずに皆が楽しめる宴を考え、うまくメリハリをつけた進行が肝となります。

 ほかにもまだまだあります。ドタキャンやドタ参加への対策、飲み放題を含めたメニュー選定、クーポンの利用、二次会の準備…。そうそう、プレゼント選びも幹事の力量が問われます。無用の長物は御法度。場合によっては事前に予算を告げて、当人のリクエストを確認するのもありだと思います。複数の贈り主がいる場合は“かぶり”を防ぐ配慮を忘れてはいけません。

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