サイバーの世界で本人認証の確実性が揺らいでいます。とりわけ、本人認証が必要な場面のほとんどすべて使われているパスワードが危機に瀕しています。第1回では、パスワードが盗用されている実態を示すことで、パスワードがどのような危機に瀕しているかを明らかにします。
頻発するパスワードの流出、不正アクセス事件
最近パスワードの流出や不正アクセスに関する大きな事件が続発し、マスコミも警鐘を鳴らすようになってきました。パスワードの流出に関しては、例えば、以下のような事件・事故が起きています。
○大阪市職員が他部局のID・パスワードを使って庁内システムに約300回の不正アクセスを行い、逮捕された。部署IDには規則性があり、部署IDと初期パスワードは同じ文字列で発行される運用だったという[2013年9月]
○「2ちゃんねるビューア」で約3万2500件の個人情報(メルアド、パスワード、クレジットカード情報、住所、電話番号、IPアドレス)がネット上に流出[2013年8月]
○NTTコムのOCNに不正アクセス、400万件のID用メールアドレスと暗号化パスワード流出の可能性[2013年7月]
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バックナンバー
- 日本企業がとるべき傾向と対策【第4回】パスワードの限界を超えて―「拡張型パスワード」(2013/10/31)
- 日本企業がとるべき傾向と対策【第3回】生体認証など非パスワードについて(2013/10/30)
- 日本企業がとるべき傾向と対策【第2回】パスワード管理強化の方策と限界(2013/10/29)